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■ 『ことばの教育を問いなおす ―国語・英語の現在と未来』
国語・英語教育の現状とその問題点の指摘、なにかと話題の、いや問題の英語の大学入試などに関する論考。
**日本の大学までの教育は、徹底して読んで書くということをなおざりにしているように見えます。(中略)大学生が授業で読む文献の量も他の先進国にはまったく及びません。「読み」だけでなく、「書く」も重視されているようには見えません。そのような現状の上に、口頭によるコミュニケーション能力重視にさらに移行しようとしているのです。**(238頁 第10章 徹底的に読み、書き、考える―ことばの力の鍛え方) オックスフォード大学のチュートリアルという教育との比較から、論者の一人・苅谷綱彦氏はこのように指摘している。
大学生の約半数が月に1冊も本を読まないという現実。SNSの短文では論理的に考える力が鍛えられるわけがない。危うし、この国の教育。