透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 「もったいない」

2018-01-13 | A 火の見櫓っておもしろい

■ ここに挙げた箕輪町と原村の例は消防倉庫をまたいで火の見櫓が立っている、いや施工順序からすれば火の見櫓の下に消防倉庫が建っているという捉え方の方が正しいのだが、この理由としてはやはり土地の有効活用ということしか浮かばない。脚元を空けておくのはもったいないということで、倉庫を建てたのであろう。

倉庫と火の見櫓の脚部が干渉しないようにするか、しないか。干渉しないようにすると考えれば、脚部を箕輪町の例のようにするか、脚は自然な形にして倉庫を小さくするかのどちらかになる。

干渉しても構わないから、火の見櫓の脚部を自然な形、構造的に無理しない形にすると考えれば原村の例のように貫通型にして倉庫を大きくすることになる。

いつもこのように考えるのだが・・・。

市街地の主要道路沿いなら土地の確保が難しいのでこのような理由はわかる。だが郊外に立っている火の見櫓の場合、土地の確保も容易で、山ノ内町のケースのように横並びに建設することもできると思われるのに、何故? となる。

分からない・・・。


箕輪町


原村


山ノ内町

*****



この写真を見たIさんは「補強しているんですか」と私に問うた。倉庫の耐震性能不足を鉄骨で補強していると思ったとのこと。この写真だけでは、倉庫の上に火の見櫓が立っているということなど分かるはずもなく、Iさんの見解も当然。


立科町

この倉庫の場合、火の見櫓を脚と鉄筋コンクリート造の陸屋根とが干渉している。このようなケースもよくある。土地の有効活用に加えて、共持ち効果により火の見櫓と倉庫(壁はコンクリートブロック造か)の耐震性を増していると解してよいだろう。