透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 火の見櫓の形の傾向を把握する

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい

 昨日(7日)は茅野市、原村、富士見町と諏訪地域の火の見櫓を見てきたが、気になるのは櫓の平面形で3角形と4角形のどちらが多いか、ということ。見てきた22基の内訳は次の通り。

櫓の平面形(柱の本数)
4角形(4本)   18基
3角形(3本)     2基
その他(1本、2本)  2基

たった22基の結果を以って諏訪地域には4角形の櫓が多い、と結論づけてよいのかどうか、統計学的に意味のある結果かどうかわからないが、なんとなく多いという印象、などと言っているより説得力があるだろう。

ここで疑問が湧く。4角形の櫓って3角形の櫓と比べてメリットがあるのだろうか。鋼材の使用量は多くなるだろうし、水平構面の面内変形が生じやすくなるだろうし・・・。なぜ4角形?

*****

2010年の5月に火の見櫓巡りをはじめて以来、約960基(*1)の火の見櫓を見てきたが、今後の(まだ先の老後の)デスクワークとして、火の見櫓の形(平面形や細身・太身など)の地域別の傾向把握をするのもいいかもしれない。

ここで注意しなくてはならないのは、集落内の狭い道路沿いにある火の見梯子や火の見柱を見落としていることだ。車で主要な道路を移動しているだけだと、ヤグラセンサーの感度が良くてもこれらにはあまり反応しないから。

火の見櫓観察に出口なし(過去ログ


本稿を以って昨日の火の見櫓巡りの記録を終了する。

追記 191230 *1 通し番号付け直し作業中


960 茅野市塚原の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


960 茅野市塚原(茅野市役所の近く)の火の見櫓 3脚6〇型 撮影日180107

 道路を火の見櫓の手前に画面と並行に配した写真は遠近感に乏しく好みではない。残念ながらこの火の見櫓では道路上に持ち出した大きな案内看板が邪魔で望むアングルの写真をあきらめた。



電線の引き込みに蕨手を使っている。強固に取り付けてないと電線に引っ張れて取れてしまうが、この場合は大丈夫で「ちょうどいいや」ということで使ったのであろう。


 


959 茅野市塚原の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


959 茅野市塚原の火の見櫓 4脚4〇型 撮影日180107

 茅野の中心市街地という立地、電線が張り巡らされているのは仕方ない。片側だけ持ち出している踊り場が目立っている。脚元に倉庫を納めている。



大き目の蕨手、避雷針に付けてある風向計の羽根は1枚。これが2枚とは限らない。各柱から2本の方杖を出して、円い見張り台の床を支えている。1本の柱から2本出しているのは少ないと思う。



床を持ち出しているから、半鐘を叩きやすい。

踊り場の手すりをブレースの内側に設置している。



茅野市玉川穴山の火の見櫓ではブレースの外側に設置していた。



脚元に納めた倉庫。火の見櫓の脚とは干渉していない。




 


958 スピーカーの多い火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい

茅野市宮川の火の見櫓


958 茅野市宮川(田沢公民館)の火の見櫓 4脚44(面取り)型 撮影日180107

■ 見た瞬間、スピーカーの多い火の見櫓だなぁと思った。車を停めてから改めて見て、防災行政無線柱と重なって見えていたことが分かった。

公民館の敷地に立っている火の見櫓で、脚元に車が停まっていた。これは仕方がない。こちらだけの都合で考えてはいけない。



反対側から見るとこんな様子。緑色の蔵、この色は微妙・・・。


 


957 茅野市宮川の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


957 茅野市宮川(丸山区民会館前)の火の見櫓 4脚44(面取り)型 撮影日180107

全体のバランスが良くて美しい火の見櫓だ。



見張り台の下にスピーカーを設置してあるが、この位置だとあまり目立たなくて好い。



踊り場の上のカンガルーポケットに梯子から移動するのは怖いだろうなあ。高いところが苦手なので気になる。



何かぶつかったのだろうか、梯子が曲がっている。


 


956 茅野市宮川の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


956 茅野市宮川の火の見櫓 4脚44(面取り)型 撮影日180107

 車のすれ違いができないような狭い道路の正面に突然背の高い火の見櫓が現れてびっくりした。ゆっくり進んで行くと少し広い道路に出た。

末広がりの櫓はやはり好ましい。踊り場まで外付け梯子で上るようになっている。踊り場と見張り台の中間に消火ホースを乾燥させるためのカンガルーポケットがある。














 


955 コンクリート柱に付けたスピーカーと半鐘

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


955  茅野市宮川の火の見柱 1脚無無型 撮影日180107

 集落内の狭い生活道路を走っていてこの火の見柱と出合った。半鐘に気がつかなければ通過してしまうところだった。コンクリート柱のてっぺんに取り付けた腕木にスピーカーを2個設置してある。柱の下側には半鐘が設置してあり、中間に街灯も設置してある。




何だか物足りないが、これも一般的な意味での火の見櫓。私は火の見柱と呼んでいる。


 


953 富士見町落合の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


953 諏訪郡富士見町落合の火の見櫓 3脚無3型 撮影日180107

遠くから見えていた火の見櫓に近づいていく。てっぺんはどうなっているのかな・・・。





この様子をどう解釈すればよいのか・・・。



櫓の途中に取り付けた半鐘。反りのついた小屋根にも蕨手が付いている。 屋根を支えている2本の束が傷んでいるようにも見えるが大丈夫だろうか。



交叉ブレースの下半分近くがコンクリート基礎に埋まっている。ということは、建て方の後、基礎のコンクリートを打設したということだろう。


 




― シャッターが開いている!

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)諏訪郡原村中新田にて 撮影日180107 遠くに見える北アルプスの白き峰々

 この火の見櫓を見に来るのは今回で何回目だろう・・・。大町市美麻で木造の火の見櫓を見て始めた火の見櫓巡り。それからまもなくこの火の見櫓を見て、おもしろいと思った。それ以来火の見櫓巡りを続けている。

*****



中はどうなっているだろう・・・。

今日7日は消防の出初式ではないか。ならば、このシャッターが開いているかもしれない。八ツ手中の火の見櫓の横の器具置場を見て思った。

シャッターが開いている!



許可なく中に入ることは躊躇われた。奥に脚が見えている。


 


951 諏訪郡原村の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


951 諏訪郡原村八ツ手中の火の見櫓 4脚44(面取り)型 撮影日180107

土地の高低差、逆光、電柱、樹木・・・、全形写真を撮るのに苦労した。



この屋根も好い。風向計はこれが健全な姿。消火ホースを引き上げる滑車を付けた腕は招き猫のよう。柱と梁の取り合い部分を方杖で補強している。



脚元 形は好い。でも維持管理が良くないのは残念。



器具置場のシャッターが開いていて中が見えている。今日(7日)は消防の出初式だろう。だとすると、あの貫通火の見の倉庫も開いていて中が見えるかもしれない!


 


950 茅野市玉川の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


950 茅野市玉川上赤坂の火の見櫓 4脚6〇型 撮影日180107

■ 平面が4角形の櫓に6角形の屋根を載せた変則的な組合せで、脚元に倉庫を納めた火の見櫓。



屋根下地の様子がよく分かる。なるほど、4本の柱と6角形の屋根の取り合いはこうすればよいのか。 下り棟の下地材の平鋼を伸ばして蕨手にしている。屋根のてっぺんの避雷針に付けた風向計はどうなっているのかな?



別の方向から見ると・・・、どうやら羽(矢羽と呼んでいいのかな)が曲がってしまっているようだ。羽は2枚あるのが一般的だから、1枚はとれてしまったのだろう。



見張り台の半鐘はつるりんちょ、この踊り場の半鐘は乳付き。この組み合わせをどう考えるか・・・。

乳付きの方が古いということを前提にすれば、火の見櫓を建設して何年か後に見張り台の半鐘をここに移動して、見張り台に新たに設置したと考えるのが妥当? でもなぜわざわざそんなことをする? 相当重い半鐘を移動させるのはかなりしんどいはず。これを片手で持って、梯子を下りてくることは困難ではないか。

では、初めからこの状態だったか・・・。




鉄筋コンクリート造の陸屋根の端部と火の見櫓の脚が干渉しあっている。もちろん意図的だろうが、なぜこんなことをしたのだろう?


 


949 茅野市玉川の火の見櫓

2018-01-08 | A 火の見櫓っておもしろい


949 茅野市玉川(玉川郵便局前)の火の見櫓 4脚4〇型 撮影日180107

 火の見櫓のある風景 少し俯瞰気味に撮った写真。既に何回か書いたことだが、道路によって奥行き感が強調された構図は私の好み。背景に山があるのも好ましい。



前稿の火の見櫓より屋根の勾配が急で印象がだいぶ違う。軒先4隅の飾り、いまだ名称不明。これは何?



火の見櫓の正面のみアーチ部材を用いている。入口ゲートとして表現するという意図かな?コンクリート基礎にステップあり。