透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

シャガール展@松本市美術館

2012-02-14 | A あれこれ



■ ショパンはピアノの詩人、シャガールは色彩の詩人。 

作曲家を10人挙げてくださいと言われれば、ベートーベンとモーツァルト、それからバッハ、シューベルトは間違いなく入るでしょう。画家ではピカソやゴッホ、シャガールの名前が必ず入るのではないでしょうか。セザンヌはどうかな・・・。

松本市美術館では開館10周年を記念して「シャガール展」が開催されています。チケットにはシャガールの代表作、「街の上で」が使われています。空に浮かんでいるのはシャガール自身と奥さんのベラ。幸福な日々を送っていた時の油絵ですが、色彩はシャガールにしては地味です。もっとも、モノクロのような作品もありましたが。

会場は第Ⅰ章 故郷ロシア(シャガールはベラルーシの出身)、第Ⅱ章 結婚―幸福な日々、第Ⅲ章 悲しみの日々そして追憶・幻想へ、第Ⅳ章 版画シリーズ「ダフニスとクロエ」という構成で、約100点の作品が展示されています。

「ダフニスとクロエ」は北杜夫が『神々の消えた土地』という瑞々しい長編小説のモチーフにしていました。この章にはカラーリトグラフの作品が42点展示されています。「クリアリスティから着物を着せられ髪を結ってもらうクロニエ」という長いタイトルの作品が印象に残りました。リトグラフは好きですし、基調色の濃いワインレッドも好きですから。


色彩豊かなシャガールの作品が並ぶ会場は一足先に「春」が訪れたかのようでした。