Ommo's

古い曲が気になる

雨は空から

2011-03-24 | 日記・エッセイ・コラム

 

 府中市の方からのコメントで、府中市はガッチリ停電している、という。三多摩地区は、東電の表にあるように、完全に計画停電が実施されている、ということだろうか。

                                                  

 地震以来、わたしの、このブログへのアクセスが伸びる。それまで、一日1000回を超えるのは、月に数日だったが、一昨日は1900回を超え、きのうは、2500アクセスを超える。なぜだろう?

 地震のまえのように、故郷・北海道・帯広のことや、音楽や本のことを、気ままに書きたいのだが、毎日毎日、バカバカしくも、腹立たしいことが起きる。

 『虹の彼方に Over the Rainbow 』を書いた日から、いつもの音楽談にもどそうと思った。だが、怒りで脳みそが沸騰しそうなくらいバカげたことが、つぎつぎと起きて、アホな民主党政権の愚かしさに、黙っていられない。

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 なにを写した写真か分かりにくいだろうが、今夜、旧江戸川に架かる浦安橋から撮影した夜景だ。川をはさんで、左の街灯があるところが、東京都江戸川区。右側の闇が、千葉県浦安市。この闇のなかに街がある。二つの小さい光の点は、マンションの通路の非常灯だ。

 上の写真の闇の部分には、こういう街がある。

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 今夜も、わが“死の第5グループ”は、午後7時から停電になった。懐中電灯はあるが、電池が買えないので、あまり使いたくない。この先何があるかわからない。ロウソクも売り切れなので、真っ暗な部屋にいるのも鬱陶しい。それに、今夜も雪がふるほど寒いのだ。部屋のなかも寒い。

 それで、ガッチリ着込んで散歩にでることにした。放射能の雨がふっていたが、『だからなんなのよ』という気分で、『雨に歌えば』を口ずさんで、傘を開いて歩きだした。小雨なので、傘もささずに歩いている人がたくさんいる。

 近くのバイパスは、まだ午後7時なので交通量が多い。ずっと先から信号が止まっているので、スピードをだした車がとぎれない。歩行者も自転車も、なかなか通りを渡ることができない。すぐそこの、自宅をめざして通りを渡るのも、命がけだ。

 闇のなかを隣街の東京都江戸川区にむかった。停電の地区と、停電しない地区をみて、その落差を実感したい。

 旧江戸川が千葉県と東京都の境だ。そこに架かる浦安橋の上で、みごとに明暗がわかれていた。比喩ではない。ほんとうの明暗だ。橋の半分は、千葉県浦安市だから、橋の街灯は消えて、真っ暗だ。橋の真ん中から東京都江戸川区だから、街灯が煌々と点いて、明るい。

 『明暗を分ける』とは、このことだったのか、と笑ってしまった。わたしは、『暗』の側、死の第5グループに住む、負け組だ。

 東京都江戸川区は、街灯が明るく点いて、商店もコンビニも、飲み屋もラーメン屋も、普通にやってる。回転寿司屋も繁盛していた。人通りも多い。駅前の繁華街では、客引きのアンチャンたちが電車をおりたサラリーマンをさそっていた。

 少しまえに出てきた、わたしの闇の街とは、あまりに違う。天国と地獄だ。たしかにわれわれは、“死の第5グループ”だ。

 停電しない江戸川区の夜の街をみて、プロ野球セ・リーグのボスたちが、無神経にも、予定どおりの開幕に固執し、ナイターもやる、と言い張るわけがわかった。やつらは、この計画停電の過酷さを理解してないのだ。

 たとえば、東京都大田区田園調布に住み、千代田区のオフィスに社有車で通勤していれば、まったく停電に無縁だ。『電気で困ってるやつらがいる? ほんとかいな? 俺んとこは、オール電化の家だけど、何の問題もないよ。東京中こうこうと電気がついてるだろう。なんでナイターが悪いのか、まったく分からんね、俺は』

                             

 きょう、東京の水道水から、基準値を超えた放射性物質が検出された、と発表された。当然のことだ。原発が爆発したのだ。なにも驚くことはない。

 しかし、乳児の飲料に適さない、といわれても、若い母親たちは困惑するだけだろうな。気の毒だ。すぐに、買い占め、買いだめがはじまったから、ミネラルウォーターが簡単に手に入る状況にない。成人や、まして40歳すぎたやつらは、この量のヨウ素131入り水道水を飲んでも、何の影響もないのだ。オタオタすることはない。

 わたしは、東京水道局の発表のあと、水道水でコーヒーをおとして、がぶがぶ飲んで、水道水で飯を炊き、水道水で味噌汁をつくって、おいしい夕ごはんを食べた。そのあと、熱いシャワーを浴びた。水道水だ。そして、焼酎のお湯割りだ。水道水だ。(わたしのところの水道は、東京都の水源より、もっと福島に近いところの水だ、ろう。何の発表もない……。どうでもいいが)

 テレビニュースでは、わたしのようなジジイたちも、ミネラルウォーターを買いこんでいく。バカじゃないのか。赤ん坊や子供や若者のために、残しておいてやればいいだろ。それとも、孫のために買っていくのか?

                   

 野菜や水道の問題が発表になると、『東京、ざまあ』とかいう書きこみがネットにある。首相がアホウだから、国民もアホウが多いのか。原発の事故の本質をなにもわかってない。

 東京の水道水がダメなら、日本じゅうの水道も同じリスクだ、ということだ。東京都水道局は、放射性物質を測定していて、それが法で定める規定量を超えたから発表した。夕方、茨城県も発表した。だが、日本じゅうの水道局がみんな、放射性物質を測定しているのだろうか? そして、どこも隠蔽せず、正直に数値を発表するのだろうか?

               

 放射線は、遠く離れていけば、被爆量は軽減される。だが、飛散する放射性物質は、世界じゅうに降りそそぐ。

 雨は空からふる。空は、日本じゅう、世界じゅう、つながっているのだ。関東だけ、ドームのように覆われているわけじゃない。日本じゅう、どこの水道も、空からふる雨を集めて貯水池にためる、それが水源だ。大気中に浮遊する放射性物質は、雨に溶けて地上に落ちる。雨は川に、川は貯水池に流れこむ。

 風は、さまざまの方向に流れている。熱気球が、風に流れるのをみると分かるように、高度によって方向が変わる。地上で北からの風でも、わずか数百メートル上空では、真逆の南からの風が吹いていたりする。                     

 つまり、風は、北西の風と予報にあっても、その北西の風は、どの高度でも北西に吹いているわけじゃない。つまり、大気は、つねに大きく、小さく攪拌されているということだ。

 つまり、関東の大気は、関東の上空にとどまっているわけでなく、日本列島全域を飛び回る、ということ。

 ことは、日本の空の問題で終わらない。

 晴れると太陽の熱で地表が温まり、上昇気流が起きる。地表の大気をいっきに数千メートルもの上空まで運んでいく。トンビや鵜の群れが、大きく回りながらどんどん上昇する光景をみたことがあるだろう。あれが、上昇気流、サイマールだ。

 そして上空には、ジェット気流がすさまじいスピードで流れている。日本の地表近くの大気は、上昇気流でのぼっていき、ジェット気流にのってアメリカ上空に数十時間で到達する。

 アメリカ政府が、日本政府の原発事故情報の隠蔽に苛立っているのは、日本の原発事故がアメリカ人の健康にとっても深刻な問題だからだ。アメリカだけでない。ジェット気流は、地球を一周して流れている。チェルノブイリ事故のとき、日本にも放射性物質がふってきたのを覚えているはずだ。

 だから、世界じゅうが、日本の原発事故の推移を、緊張して注視している。

 野菜や水道水の放射性物質汚染、この問題の発生も予想して、福島原発事故は、レベル6の事故と、フランスは最初から断定していたのだろう。日本政府は、レベル4の事故と発表して、いよいよ事態をコントロールできなくなって、レベル5と訂正した。チェルノブイリ事故が最悪のレベル7だ。

        

 ここまで書いた話とは何の関係もないが、六文銭の名曲『雨が空から降れば』が聴きたくなった。

    小室等・石川鷹彦・岩沢幸矢・岩沢ニ弓 http://www.youtube.com/watch?v=bF0R6SBG174   

はじまりはじまる
 

                           

 いま、こういう状況のなかで、五つの赤い風船の名曲『遠い世界に』を聴くと、ジーンとする。歌っているみんなは、年になったが、なかなか見ごたえのある『遠い世界に』だ。

    五つの赤い風船・山本潤子・南こうせつ 『遠い世界に』 http://www.youtube.com/watch?v=B0yA9f0ZpXI&feature=related