デスクトップのパソコンを新調して、データの引っ越しをしていると、なぜかメールの設定がおかしなことになり、受信できるが、送信ができない。そうしている間に、今度は、なぜかその新しいパソコンそのものが、すぐにフリーズするという非常事態におちいった。
なんど試みても事態は悪くなるばかり。メールの受信どころか、パソコンそのものが、まるで機能しない。その間、もう時代に対応できない、キャパの小さい、愚鈍な古いパソコンで我慢していた。
しかし、ある日、意を決した。すべて消去することになるが、初期化して、OSを再インストールすることにした。(古い大事なファイルは、古いPCに入っている)。
なんと、完全初期化すると、新しいパソコンは、届いたその日のように、爽やかに起動し、シャキシャキ、スカスカと駆動するではないか。
「クソ! 短いつき合いだったが、オメエさんとはおさらばだ! 今すぐ、この二階の窓から投げ捨ててやる。今度は、オメエのようなグズじゃなく、HPの、最新の水冷を買ってやる! 」とまで、苛立たせてくれた同じパソコンかいな、と不気味な気分になるほど快適だ。
快適ついでに、OSもXPから新調した。そのWindows 8にも慣れてきて、10月17日には、8.1がでる、というので、この際、メールの設定をやり直そうと決意した。
母の一周忌法要を終えたら、父を施設にお願いして、東京にもどり、また新しいプロバイダーと契約して、メールの設定も新たにやって、と思っていた。そのときからメールが使えれば、いいか、と、思っていたのだが‥‥‥
しかし、いくつかの施設を見学させてもらったが、いまの父の状況では、生活できるところはない。
そんなわけで、この勝負は、もうひと冬か、ふた冬か? もっと長くか?
この一年、母の一周忌で、いろんなことにけじめをつけようと思っていた。我がまま、傲慢の、不快きわまる老父の、介護も、やるんなら、とことん、やろうか、と決めた。これもけじめ、それが、母の供養だろう。
そんなわけで、メールは、受信も送信も普通にできるように、設定し直した。父親の顔をみるだけで、鬱な暗い気分になるが………
いままで長いあいだ使っていたアドレスで大丈夫。わたしのことを思い出すことがあったら、メールをください。
母の一周忌法要を終えた。
昨年6月、故郷・帯広に帰って、母の看病をして、母を看とり、一年。いろんな意味で、わたしには、心の区切りのときだ。
今夜は、なつかしい母を思う。なぜか、そして、ファドを聴く。
アナ・モーラ Fado Loucura https://www.youtube.com/watch?v=lh9YHtZzHfk |
本が読めるほど明るい、みごとな月。あすは満月だ。窓辺で、月を見ながら、虫の声を聞き、冷やした安ワインを飲んでる。白ワインだ。
この町のいいところは、晴れた夜空の、星と月の美しさだろう。乾燥した大気だから、光を乱反射する水粒子が少ない。圧倒的車社会といっても、東京都の5倍以上の広い十勝平野に、人口、わずか35万人(東京は、1,326万人)。大気を汚染する排ガスをまき散らす車の数もしれてる。
すこし郊外にでると、もっと綺麗にみえるのだろうが、町が暗いから、住宅街のなかでも十分、月と星々の美しさを堪能できる。
大河ドラマ『八重の桜』は、江戸時代から明治へ激動するときの、福島・会津の女性がテーマだ。わたしの祖母も、福島・双葉町出身で、東京で看護婦をやっていた明治生まれの人だ。
なぜか最近、″すごい男”より、”すごい女”に心ひかれる、と、すこし前に書いた。昨年、3ヵ月看病をして、末期ガンの母の臨終の、命の火が消えていくとき、ずっと手を握っていた。
たったひとりで、余命宣告を医師から受け、きちっと身辺整理をして、あわてず騒がず、取り乱すこともなく、自らの臨終に対峙していく母をみていて、「母がすごいのか? 女の人、みんながすごいのか?」、みごとだな、と思った。かっての、侍とは、こういう人たちなのかな、とも思った。
大山捨松も、会津の人だ。(捨松、とは男の名前のようだが、女性だ。それも、美女といってもいいだろう、じつにカッコいい女性だ。幼名は、咲子。山川咲子‥‥‥そう、会津戦争で鶴ヶ城籠城を指揮した若き名将、山川浩の妹だ。咲子(捨松)自身も、母親とひと月籠城して大人たちの手伝いをしたのだ。捨松、8歳だ)。
大山捨松は、アメリカの大学を卒業した、最初の日本人女性だ。
右端の子が、捨松。となりの、小さい子が、8歳の津田梅子だ(津田塾大学の設立者)。この5人が、最初に、アメリカに留学した日本人女性なんだよ。明治4年だ。
もちろん、本人の意思でアメリカに行ったわけじゃない。国家のため、そして、なにより一家の、家長の名誉のために、異国に行ったのだよ(捨松が津田梅子を抱いているように見える、この写真の幼いふたりをみるたび、なんだか、切ない気分になる)。
このアメリカでの写真、捨松は、12歳。津田梅子は、まだなんと、8歳だ。父・兄という家長の命令が、絶対の時代だ。ましてや男尊女卑の時代だ。家長が、「お国のために、メリケンに行って、最先端の文化を学んでくるんだぞ」と、命令する。一家の女・子供が、家長の指示に逆らうことなど‥‥‥できない。
捨松という名は、幼名じゃない。アメリカ留学を家長である兄が決めたとき、「捨てた子じゃない、わたしは、いつまでも、おまえが帰ってくるのを待っているよ」、と、母親が、捨松と改名した。わずか12歳の娘をアメリカにおくる。まだ幼さが残る12歳の娘を、10年の約束で異国に出す、「捨てて待つ」、なんとも切ない母のココロだ。
この大山捨松(山川咲子)のことは、まだまだたくさん書きたいことがある。
お盆が過ぎたのに、紫陽花が咲いてる。不思議な気分になる。
帯広のホテルで購入した写真を、8月15日以降に受けとれる、という。ひどく蒸し暑い日だったが、夕方を待って出かけた。いま暮らしている、親の家から歩いて1時間20分だ。
しかし、無駄足だった。
ホテルのショップに支払って、15日以降、受けとる約束だった。だが、なんだよくわからない理由で、きょうは渡すことができない、という。 ショップの二人の店員が、交互に「連絡します」「連絡します」という。
「それは、いつ頃になるの?」 と尋ねる。またまた、「連絡します」「連絡します」という。その物言いが、ひどく横柄だ。
連絡する、じゃなく、約束した期間に引き渡すことができないことを、きょうまで、お客である、わたしに連絡しなかったことを、まず、謝罪するべきじゃないのかい? 8月15日を過ぎてから渡す、と提示したのは、あんたらだ。わたしじゃない。わたしの希望でも、意思でもない。わたしの連絡先は、7月20日と7月30日、二度も書いている。
約束どおり渡せないと、どうして、きょうまで連絡してくれないんだい? と、いっても無駄だろうから 黙した。「支配人を呼べ!」と怒鳴ることもやめた。尊敬する写真家に迷惑をかけちゃ申し訳ない。
しかし、このホテル、何度か行って思うのだが、この帯広の老舗ホテル、駐車場の警備員の服装が、あまりにだらしない。あれじゃ、道路工事現場の警備員だ。
制服の上着は、パリッとクリーニングしたやつ。ズボンはしっかりアイロンをかけたやつ。髪は、いつもきれいに散髪して、制帽・ヘルメットの後ろから長髪が出ちゃダメだ。手は、真っ白い手袋。汚れたら、一日なんども替える(白手は、ワークマンみたいな店で数買えば、左右一組いくらでもない。わたしの場合、いつも自分で洗ったやつをいくつも持ってたが………)。安全靴も、現場にでる前に、ピカピカにする。
わたしは、ビル建築現場の警備員のおっさんだった。東京の街のなかで突っ立ているわけだから、うす汚い格好をして、雇ってくれてるゼネコンに恥をかかせたくないじゃないか。もちろん、毎日の、パリッとしているクリーニング代は、自前だ。日当8,500円からの手出しだ。
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先月、古川村太郎ライブのエンディングで盛りあがった曲、「テキーラ」は、ザ・チャンプスの曲。わたしが、小学生のとき(1959年)のヒット曲だ。
作曲者は、このバンドのサックス奏者、ダニー・フローレス。
チャンプス Tequila http://www.youtube.com/watch?v=tG6P2rBU-ho
高温注意報がでている本州の人にはもうしわけないが、ここは、さわやかな秋風だ。最高気温が30℃といっても、大気が乾燥して、微風が吹いているから心地いい。午後の空気は、完全に秋の気配だ。
甲府市と四万十市は、40℃超えというからすさまじい。ここでは、窓を開ければ、風が心地よく、わたしには冷房など無用だ。しかし、階下におりると、老父が、窓を締め切ってエアコンをがんがん利かせ、キチガイじみた音量のテレビの前で居眠りをしている。まったく‥‥‥北海道の人は、我慢する、耐える、節電する、という意識が、まるで希薄だ。
わたしは、この冷房ぎんぎんの、イカレタ部屋で父親のバカ殿ご膳をつくる。不快のきわみだ。
ハマナスの実が、赤く色づいてる。
パブロ・アルボラーン & カルミーノ Perdoname http://www.youtube.com/watch?v=8EFMojiDY2k パブロ・アルボラーンは、スペインの若きシンガーソングライター。24歳、なかなかハンサムじゃないか。カルミーノは、ポルトガルのファド・シンガーだ。28歳。 ″Perdoname"は、スペイン語とポルトガル語のデュエット。2011年発売の、スペインのナンバーワン・ヒットソング。 |
やっと、最高気温30度を超える日がやってきた。7月のはじめに、一日かそこら「暑いな」と感じる日があったきりで、あとは雨か曇天。わたしには、「寒いな」と思う日が、ずっときのうまでつづいていた。
「ああ、やっと夏だ」と、ホッとしたきょう、北海道のテレビ・ニュースでは、「このきびしい残暑も、あと一週間の辛抱」、みたいなことをいってる。残暑? きびしい?
この気温で、きびしい? 残暑? これでもう、なごりの夏かい! この「きびしい残暑」が、あと3ヵ月くらいつづいてくれないかな‥‥‥
そんなわけで、30度超えの気持ちよく暑い昼。そうして、さわやかな微風が心地いい、夕暮れ。散歩にでた。
名残りの夏。日暮れ。そこにある、なにもかも、すべてが美しい。