Ommo's

古い曲が気になる

なぜかYMO

2011-03-05 | 日記・エッセイ・コラム

                   

 ザ・ランナウェイズのことを思い出していて、なぜか、YMOのことを考えた。

            

 ザ・ランナウェイズは、日本で売れた。本国アメリカより日本だけで売れた、と言ってもいいくらい日本で売れた。それと似ているのが、クィーンだ。

 今では信じられないようなことだが、クィーンのファーストアルバムは、本国イギリスで、まったく売れなかった。ところが、日本で爆発的に売れた。アメリカでは、相手にもされなかった。世界で、日本だけで売れたのだ。

 わたしの北海道・帯広のレコード店でも売れた。レコードメーカーのワーナー・パイオニアのセールスマン、大栗さんが驚いていた。まったく無名のロックバンドのアルバムが、北海道の田舎町の小さい店で売れる。店から商品を出せ、どうして品切れなんだ! とクレームがくる。不思議だ と。

 湯川れい子さんがどこかに書いていた。『(音楽評論家に)ミーハーと馬鹿にされるけれど、世界のポップスをリードしてきたのは、日本の少女たちです』

 この湯川れい子さんの説は、わたしは正しいと思う。1960年代、70年代に関して、わたしは、その、音楽の現場にいたから、よくわかる。

 クィーンは、日本で爆発的に売れたから、メーカーは、セカンドアルバムを制作して、宣伝に金をかけることにした。

 世界のミュージシャンにとって、日本で売れるということは、大きな意味を持つようになった。(今では信じられないことだろうが……)。

 武道館ライブを発売することが、ジャズでもロックでも、ミュージシャンのステータスになったのだ。

 それだけ、日本の音楽ファンの耳はセンスが良かった、ということだ。(今の話じゃない。60年代70年代の、むかし話だ)

 YMO、イエロー・マジック・オーケストラのファーストアルバムが発売になったのは、1978年(昭和53年)だった。

Solid State Survivor

 わたしの好みでは、YMOの音楽はイマイチだが、レコード屋のオッサンとしては、大好きだった。もうメチャクチャ売れたのだ。最初のファンは、中学生、高校生の、男の子が多い。なぜか男子の心をくすぐったのだ。

 世界じゅうで売れた、という。それは、レコードメーカーの宣伝文句で、ホラだと長い間思っていた。ところが、アメリカ人の知人は、「子供ころ、YMOが一番好きだった」という。オーストラリア人は、「YMO、知ってますよ。姉さんがレコードを持っていて、小さいとき、よく聴かされました。ぼくは、ちょっと、ですが」。

 坂本龍一のファーストアルバムを知っているだろうか? 『千のナイフ』だ。

千のナイフ