昨夜はスカンジナビアン・ボサノバを聴いて、今夜は、YouTubeでポルトガル出身のスサーナ・シルヴァのストリート・パフォーマンスをみている。
世界には、ビッグネームでないが、凄まじい才能あるシンガーやミュージシャンがたくさんいるもんだ、と、あらためて感心する。
その才人たちが、あえて路上や小さいライヴハウスのパフォーマンスにこだわり、60年代70年代の曲のカバーを歌う。ミステリー・スリラー・ホラーの映画音楽の、超プロフェッショナルが、軽いボサノバのアルバムを出したりする。おもしろいね。
スサーナ・シルヴァ Feeling Good http://www.youtube.com/watch?v=-vDUY4TAw98
Feeling Good は、もちろんニーナ・シモンの大ヒット曲。名曲だ。たくさんのカバーがある。だが、ギター一本のソロで、河畔のストリートで、これだけ表現するのは、みごとだ。
オリジナルのニーナ・シモンの Feeling Good は、それは、凄まじい歴史的名唱、名演奏だが、みごとなアレンジのフルオーケストラがバックのスタジオ録音だ。一発ライヴのストリート・パフォーマンスで、この名曲をここまで表現する技量は、感動ものだ。すごい。
シャンソンのシンガーソングライターで、俳優・監督だったジャック・ブレルの名曲 Ne me quitte pas (邦題『行かないで』、アメリカ・イギリスでは、If You Go Away)も、ストリートで、スサーナ・シルヴァがカバーしている。これもじつにいい。
スサーナ・シルヴァは、ポルトガル出身というから、フランス語のこの歌を歌うとき、英語ネイティブの人たちより、もうすこし、オリジナルのジャック・ブレルの詩の中にふみこんで、歌いこめるのかも知れない。
スサーナ・シルヴァ Ne mequitte pas http://www.youtube.com/watch?v=-heZgIe-b88
スサーナ・シルヴァ Ó Gente Da Minha Terra http://www.youtube.com/watch?v=xwTzp5XtoSo
この曲のオリジナルは、もちろん、1950年代、200年以上まえから酒場で歌い継がれていたポルトガルの民衆歌、ファドを世界に知らしめた偉大な歌手、アマリア・ロドリゲスが作った歌だ。
わたしは、中学生のときからアマリア・ロドリゲスが歌うファドの『暗い艀』は、知っていたが、成人になって音楽を職業にしていたのに、この曲を数年まえまで知らないかった。
マリーザのリスボンでのライヴ映像をみて………なんだ? なんだ? この曲は? マリーザが泣いてんじゃないか。主役の歌手が感極まって歌いきれず、泣いてる。客もまた泣いてる。なに? なに? この状況?
この曲、なに?
元レコード屋にあんちゃんの、わたしのココロを刺激した。『オレが、知らないこと、ないしょ』、おれ、ファド好きだったけど、Ó Gente Da Minha Terra のこと、知らない。残念。
わたしの場合、いつも、ここでは終わらない。少年のときから。
わたしの場合、疑問は、しらべて納得したい。調べる。そして、やっと、すこし理解する。この Ó Gente Da Minha Terra に対する ポルトガルの人々の思いがすこしわかるようになった。
なぜ、マリーザが歌う Ó Gente Da Minha Terra は、ポルトガルの人々の心をうつのだろうか。スサーナ・シルヴァが、路上でこの歌を歌い終えて、「マリーザ!」と言ったのが印象的だ。
まあ、いまの、日本人には、まったくよくわからないだろうが‥‥‥‥‥愛国の歌、祖国愛の歌、自分の民族、祖国文化への敬愛の歌なんだ。
マリーザ Ó Gente Da Minha Terra http://www.youtube.com/watch?v=k7BwU0MVEwo
※ Susana Silva を、スサーナ・シルヴァと表記したが‥‥‥‥スザーナ・シルバとか、書くのだろうか? よくわからない。でも、素敵なミュージシャンだ。
この、Susana Silva さんは、ポルトガル出身、27歳らしい。ロンドン路上とか、どっかアメリカらしいライヴハウスでのパフォーマンスがネットにいろいろある。独創的で、勇気ある、すばらしく才能あるシンガーでミュージシャンだ。カバーだけじゃなく、オリジナルも好きだ。