Ommo's

古い曲が気になる

ladybird 現れる

2013-03-31 | 日記・エッセイ・コラム

 雪が解けたばかりの庭で、枯草のなかに、てんとう虫をみつけた。

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 どうやって、あの厚い、重い雪の下で越冬したのだろう? 成虫の姿で冬をのりきったのか? あるいは、サナギで越冬して、羽化したばかりなのだろうか?

 

 枯草の単色のなかで、この赤い体色と黒い点は、鮮烈だ。ほんの小さいものだが、野原の風景のなか、白色以外のすべての色彩が消えて、5ヶ月。長い冬の後みる、この虫の赤は、心を明るくさせる。(てんとう虫は、天道虫と書く)。

 

 てんとう虫を、しばらく眺めながら、もし、こいつが、この成虫の姿で、あの長い冬を、枯れ枝の下で、ジーッと耐えていたのなら、たいしたやつだな、と思った。

 

 このナナホシテントウの成虫は、肉食で、アブラムシを好んで捕食する。だがしかし、越冬しているときは、何も食べず、絶食してすごせるのだろうか? あるいは、雪の下の枯れたり腐った植物を食べて耐えるのだろうか? (かれら、幼虫のときは菜食主義者なのだ) 

 それにしても、昆虫というのは、多様でタフで、複雑で、微細で精密で、じつに興味深い生き物だ。生態だけじゃなく、形も、色彩も、機能美をはるかに超越した驚異の美しさがある、やつもいるが、いっぽう、また、人間の美意識の、その感性の許容をこえた、見るに耐えらない、強烈に醜悪なやつもいる。

 (ほとんどすべての昆虫は、人類と友好関係にない。搾取するか搾取されるか、収奪するか収奪されるか、殺すか殺されるか、の関係なので、人間の美意識を評価していないのだろうな、昆虫は‥‥‥‥。きっと、昆虫からすると、人類、哺乳類など敵にもならないだろうな。)

 

 と、いうことを、部屋に入ってきた小さいハエを目で追いながらいつも思う。くやしいが感動するのは、その、昆虫の飛翔力の見事さだ。どんなスーパーコンピューターが、あの小さい小さい脳に組みこまれているのだろ? 

 

 

 昆虫は、人類、永遠の敵だが、興味つきない生き物だ。

 

 てんとう虫は、英語では、ladybird という、らしい。わたしの、キャノンの電子辞書にある。米語では、ladybug とあるから、わたしは、オリジナルのイングリッシュマンのセンスのほうが、断然好きだな、ladybird 。

 

 雪の下で、長い冬をたえた、ナナホシテントウ(七星天道)は、英国では、seven-spot ladybird 。

 

 

 

 

 


みごとな満月だ

2013-03-27 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

 満月だ。

 カーテンを開けたまま、窓の満月をながめ、酒を飲んでいる。

 この町のいいところは、水道水の美味いことと、夜空の美しさだ。十勝平野の中心の町といっても、広大な市の面積に人口は16万と少し。

(北海道帯広市、16万8千人、人口密度272人/k㎡。ほぼ同じ人口の千葉県浦安市、16万3千人、人口密度9,430人/k㎡。つまり、1000メートル×1000メートルの広さのところに、浦安市では、1万人ちかい、9,430人住んでいて、いっぽう帯広市では、同じ広さのところに、272人しかいない、ということ)。

 町が暗く、ビルも少ない。広大な平野の真ん中だから、風も吹き抜けて、大気が清浄なので、市街地から夜空を眺めても、星も月も、みごとに美しい。

 

 満月もすごいが、庭にでて、北の夜空にくっきりとみえる北斗七星に、いつも感動する。『ああ、ここは、北極が近いんだな』と。

 


福寿草、現れる

2013-03-27 | 日記・エッセイ・コラム

 

 東京都心では、満開の桜が散っていってる、というが、しかし、ここは極地シベリアに近い北国。住宅街の歩道に、まだ雪が積もっている。鬱陶しいこと、はなはだしい。

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 桜が咲くのは、5月。いまやっと、解けた雪の下から、福寿草が顔をだしたところだ。

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きょうの朝飯は、熱々の飯に、からし明太子

2013-03-26 | 日記・エッセイ・コラム

 

 きょうの朝飯は、熱々の飯に、からし明太子をのせて食べた。昨夜、九州・博多の森本裕二くんから届いた明太子だ。うまい。じつに美味い。やはり本場の味だ。朝から丼いっぱいの飯を食べてしまった。(もう30年ちかく、じぶんの飯は、自分で作る。とくに、この10年くらいは、あまり外食もしない)。

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 40年ちかい昔、はじめて食べたからし明太子も、森本くんからいただいた。帯広畜産大学の学生だった森本くんが、冬休みで九州に帰省して、そのお土産がからし明太子だった。いまでは信じられないことだろうが、北海道・帯広でからし明太子は売ってなかった。

 

 北海道は、むかしから鱈漁が盛んだ。鱈子の一大産地なのだ。だから、塩をしたタラコは安いし、むかしから普通に家庭で大量に食べていた。だが、食紅で赤く染めたタラコがあっても、唐辛子を味付けにつかったタラコは無かった。

 

 森本くんが九州から持ってきてくれた、からし明太子は、じつに新鮮な味だった。柑橘系のなにか、果実のなにかを下味に使っているのじゃないか、とも思った。そのすこし後から、辛子明太子は一般的になって、北海道・帯広のどこのスーパーにも並ぶようになっていった。しかし、やたら塩っぱく辛い北海道のやつと、九州のからし明太子は、すこし味がちがうような気がする。北前船で西へ西へ運ばれて珍重され、さまざまに加工された昆布のように、大量にある産地では考えつかない、発想、概念の、ちがいなのかも知れない。


パソコン復元

2013-03-24 | 日記・エッセイ・コラム

 昨年6月に購入した、最速のパソコンが絶不調で、苛立って、何度か二階の窓から投げ捨てようと思った‥‥‥が‥‥貧乏人だ。思いとどまって、十年ちかく使っている、重く、おそいPC に接続して、長い冬をたえた。

 日差しがきつく、雪が目に見えて解けていく。そんな感じの、汚い風景をみていると、鬱な気分がいくらか晴れてきて、捨てようと思っていた絶不調のパソコンに電気をながし、ファイルをバックアップして、初期化することにした。

 いろんなアプリを再インストールして、一日仕事で復元でき、工場出荷時と同じように、サクサクの状態になった。やっと、春が近いか‥‥‥‥

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 東京では、桜満開というが、ここはこんな感じ。極地に近い。

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 桜は咲かないが、木の芽が吹いてる。日差しはきつい春の太陽光線だ。しかし、大気は、あまりに寒い。そんなわけで、木には、芽を保温するための毛があるのかな?

 去年のいま頃は、桜咲く川辺にいたが、ことしは、こんな川をみている。

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今夜は、ジンギスカン

2013-03-22 | 日記・エッセイ・コラム

                         

 昼の気温はわずかにプラス。降る雪は、地面に落ちるとどんどん解けていた。だが、朝起きると10センチくらい積もっている。もう日差しが強いのですぐに解けるだろう、との、昨夜の考えは甘かった。気温はひどく低く、強い西風が吹く、地吹雪だ。これじゃ、とうぶん解けない。ひどい気候だ。

 そんなわけで、午後ずっと、地吹雪のなか、雪かきをして過ごした。わたしの雪かきは、容赦をしない。北朝鮮アナウンサー風に表現すれば、“無慈悲な”雪かきなのだ。家の前の駐車スペースも、花畑の上も、通りも、南側すべての地面を露出させて、その雪を庭の西端1ヶ所に積み上げる。それはもう、3メートルちかい高さになっている。近所の人たちは、「お宅だけ、春ですね」と声をかけていく。(きっと、『アブナイ・じじいだな、毎日毎日、一日じゅう、雪かきをやってるよ』と思われているだろう……スキンヘッドだし…)。

        

 東京はもう桜が満開だよ、と、娘の電話だ。いつもの年より、2週間いじょう早いという。「ここは、吹雪だよ。いつもの年より大雪で、いつもの年より寒く、いつもの年より、春は、はるか遠いよ」

     

 あさって土曜日、なでしこリーグが開幕する。第1節、INAC神戸 vs ジェフユナイテッド千葉レディースをみに神戸に行きたかった。だが、老父をひとり置いて行くわけにもいかん。残念だ。(テレビ観戦だな。BSフジで放送される)。

   なでしこリーグ 2013年第1節 神戸 vs 千葉http://match.nadeshikoleague.jp/2013/nadeshiko/match_page/m3.html

    

 一日筋肉をつかったので、今夜は、ジンギスカン。タンパク質を補充しなくてはいけない。スーパーにいくと、びっくりするほどいろんなメーカーのジンギスカンの肉が売っている。北海道だ。

 ひとりで、カセットコンロに点火して、ジンギスカンを焼く。こんなに寂しいジンギスカンもないな。ひとりでみる、花火大会。あの寂寥、孤独感に匹敵する。


また、雪

2013-03-20 | 日記・エッセイ・コラム

 

 また、また雪だ。

 上野公園の花見客たちがニュースでながれる。ここは一日中、雪降り。凍てついた路面が解けて乾き、庭の花畑の土が顔をだしていたが、すべて、真っ白。まあ、あすの昼になれば、強い日差しに解けるのだろうが、鬱陶しいこと、はなはだしい。

      

 地下鉄サリン事件から、18年。わたしは、あの朝、早い時間に地下鉄にのっていた。川崎市の宿河原に住んで、南武線、東横線、地下鉄日比谷線、有楽町線と乗り継いで、新木場の現場に通っていた。

 東京ガスのプラントの、ガス管本管を20年ぶりに交換する、という大工事の、ガードマンのおじさんだ。朝、径が1メートル以上あるような巨大な鉄管を5本つんだトレーラーを誘導して、その車を出すと、ゲートを閉めて一日、ゲートの前で立っている、という、かぎりなく退屈な現場だった。

 出入りするのは、朝やってくる溶接工の職人さんの数人と、その溶接結果を検査する(非破壊検査というのだろうか)の職人さんの車が一台はいるだけだ。(トレーラーを場内の狭い通路のなか誘導するのが、けっこうなテクニックと警戒心を必要としたが、鉄管をおろして、ゲートから出してやれば、面倒なことはもうない。ヤクザの連中が、工事安全祈願、とか、おかしなお札をもって現場事務所にタカリにくるが、そいつらをゲートで追い返すだけが警備のおっさんの仕事だ。

 

 荒川の堤防がすぐのところで、わたしは、ほぼ1年、その工事が終わるまで、朝8時から夕暮れの5時まで、ゲートの前に立っていた。雨の日も、風の日も、雪の日も。炎天の真夏も。

 通りをはさんだ向こうに、東京メトロの施設がある。地下鉄車両は、ここで地上にあがり、洗車をしたり、整備をする広大な施設だ。そこのゲートの前に、ガードマンの詰所がある。出入りする業者のトラックも多い。何人もの警備員がつめている。距離は、5、60メートルあるが、立ってるわたしと対面している状態だ。

 雨の日、その東京メトロの警備員が傘をさして、わたしのところに歩いてきた。「いつも、職場の同僚と話して、感心しているんですよ。一日、吹きさらしのところに立っているんですね」と、言って缶コーヒーを差し出した。熱い缶コーヒーだ。

 雨の日も、風の日も、閉まったゲートの前につっ立っていたのだが、数ヶ月たったとき、若い生意気な現場監督が、パイプ椅子をもってきた。「ガードマンさん、ずっと立ってなくてもいいんじゃないか」、と。

         

 わたしは、朝4時に起きて、シャワーを浴びて弁当をつくって、5時の始発の電車に乗って新木場まで通っていた。早い時間だったから、あの朝、サリン事件に遭遇せずにすんだ。あの事件は、同じ時期に地下鉄を利用して通勤していた者として、人ごとではなかった。


春はどこから………

2013-03-19 | 日記・エッセイ・コラム

       

 春は遠いが、雪どけ。やっと雪解けだ。

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 東京では、桜が咲くというのに、ここはまだ氷の世界。昼の気温が、すこしだけプラスだ。日差しがきついので、厚く積もった雪が、やっと、解けはじめてる。

 わたしは、25年ぶりの北海道・十勝の厳冬を、やっとのことでのりきれそうだ。北海道から東京に出たのは、30代の終わり。それから確実に25歳老いこんでいる。だから、この冬をひどく恐れていた。『ジジイの俺が、あの冬に、耐えられるのだろうか?』と。

 しかし、やはり、過酷な風土の、この帯広で育った、わたしだ(生まれは、青森県八戸市。5歳までは北海道・釧路市にいた。そのあと、ずっと帯広だ)。ジジイになっても、身体記憶に、冬をのりきる気力はあったわけだ。

 空は青い。だが、木の芽は吹いてない。“春はどこから………くるかしら……”

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“山に魅せられた画家たち”展

2013-03-16 | 日記・エッセイ・コラム

         

 午後、道立帯広美術館にでかけた。“山に魅せられた画家たち”展が開催されている。フォトグラファーの戸張良彦さんに誘っていただいた。戸張さんの、南日高の美しい写真も展示されている。

 片岡球子さんの大作に圧倒された。

 なによりの収穫は、坂本直行画伯の生の絵をみたことかな。(恥ずかしながら、きょうの今日まで、直行さんの原画をみたことがなかったのだ)。画集でみるのとは、まったく違う明るい色調に、心底驚いた。油絵の色調、質感、光沢を、印刷では表現できないのは当然だが、ここまでリアルに、明快に違うとは………レコードのライブ盤と、実際コンサートホールやライブハウスで聴いてるライブの違い、のようなものかな。

 枯れたカシワ林のむこうの日高山脈。朝日に、薄くピンクに染まる日高山脈。印刷されたものでも好きな絵だったが、実際の絵は、それはそれは素晴らしい。あざやかに明るいのだ。ポップと言ってもいい。山に対する、憧れと畏敬と、そして、愛があふれている。『坂本直行さんは、日高の山が、ほんとうに好きだったんだな』と、痛感させられる、美しく、みごとな絵の数々だ。

   北海道立帯広美術館 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.jp/hk-obimu/


十勝の木のうつわ、佐々木要さんと USAGI でランチ

2013-03-15 | 日記・エッセイ・コラム

       

 午後、佐々木要くんと、帯広のUSAGI で、おそいランチを食べた。要くんは、工房『十勝の木のうつわ』を経営している、芸術家・職人・経営者。わたしは、ときどき、東京の銀座・松屋や、池袋東武の、販売会の、撤収作業をお手伝いする。

    十勝の木のうつわ http://www.tokatinokinoutuwa.com/

      

 佐々木要くんも、札幌市長・上田文雄くんも、わが帯広三条高校の、栄光の、合唱部だ。その部長は、橋本時比彦くんだ。