帯広に6月にやってきて、数日暑かっただけで、毎日毎日、どんよりと低い雲が暗く平野を覆い、極地のように冷たい日がつづいて、『これで夏は終わりかい!』と絶望的な気分になっていた。20数年まえに離れた十勝は、もっと快晴がつづく、暑くさわやかな夏だったように記憶していたのだが、まるで期待とちがって、がっかりしていた。
ずいぶん気候が変わってしまったのか、あるいは、わたしが故郷を美化して想像していたのか、ひどい気候の土地だ。やはり、"故郷は、遠きにありて想うもの”なのか。
スーパーマーケットへの道でみかけたブル。(買い物の途中に、こういうものに遭遇するのも、帯広の風物詩かな)
ブルトーザー・オタク(そんなオタクがいるのか知らんが)が見たら、泣いて喜びそうな古いブルが停まっていた。黄色いペンキはところどころ剥げ、赤サビがういているが、可動部はよく手入れされ、油をさしてピカピカになっている。完ぺきな現役だ。きっと除雪に活躍するマシンで、冬にそなえて万全の整備をされて待機しているのだろう。
いつ頃の年代のブルなんだろう。そうとう古い。マシン好き、エンジン好き、鉄好き、重機好き、ブル好きのわたしとしては、大事に手入れされ、現役で活躍している、こういうものを見ると、心が震える。
このユリは北海道ではよくみるが、関東の庭でみかけたことがない。
6月からお盆すぎまで、肌寒いうす暗い天気がつづき、『これで夏は終わりかい?』と悪態をついていると、きのう、きょうと、とんでもなく暑い。名残の夏だ。あすにも短い秋がきて、すぐに晩秋、初冬、そして、長く厳しい冬がやってくる。