ロイ・オービソンの「Only the Lonely」は、1960年5月のリリースで7月18日にはトップ5に入る勢いだったがナンバー1にはとどかなかった。そのとき全米1位だったのは、ブレンダ・リーの「I'm Sorry」だった。
スタンダードになっている「ユー・ビロング・トゥ・ミー」が、海外で従軍する愛しい人の帰還を願う思いを歌った「Hurry Home to Me」が原曲だったと少し前に書いたが、コール・ポーター作曲の「You'd Be So Nice To Come Home To」も第二次世界大戦中の1943年につくられている。「あなたが家で帰りを待っていてくれたらとても素敵」と歌う、これも戦時歌謡なのだ。この曲を最初に聴いたのは、ヘレン・メリルwith クリフォード・ブラウンの演奏だった。この歴史的名盤の「You'd Be So Nice To Come Home To」は、まるで戦時歌謡っぽくないが、1943年に録音されたダイナ・ショアのバージョンは、戦時下の不安でせつない思いが伝わる。
グレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」に詞をつけたのは、「スターダスト」の作詞家、ミッチェル・パリッシュ。