散歩道に現れたリス。右にのびる幹にのってるリスがわかるだろうか。わたしのカメラ技術では、突然登場した敏捷なこやつを撮影するのは、これが精一杯の写真なのだ。
わたしが知ってるエゾリスと少し違って、妙に毛色が明るいような気がしたんだが、二日酔いの錯覚かも知れない。
ハマナスの花は、もう終わり。実がたくさんなってる。海辺にいくと、ハシブトカラスがこの実を貪ったあとの糞がゴロゴロしているのだが、ここら内陸のカラスには未知なる果実なのだろうか? 動物が食べた跡がない。
こんな平野の奥、海から何十キロも離れたところにハマナスがあるのが、奇異だ。2年まえ、帯広にもどって散歩しているとき、市道の街路樹でハマナスをみた。このときは、ショックだった。
ハマナスは、海岸の砂浜に適応して生き、海岸で生きる動物に花の蜜を、果実を与え、繁殖の手助けをしてもらって、何万年かを生き抜いてきいてる。
植物は強烈にタフだから、昆虫を利用し、動物を利用し、人間に迎合して品種改良にのる。原虫、菌糸、細菌、ウイルスと、したたかなやつらがいるが、人類の敵であり、食糧として、すこし親しみをもつのは、植物かな。
帯広川で釣りをすると、イワナが釣れた。驚きだった。30年数年ぶりの北海道の、地元の川だ。
わたしは、子供のときから中年まで、帯広川まで百歩以内で生活していた。朝飯を食うまえに帯広川でウグイやドンカチを釣って(あのころこそ、キャッチ・アンド・リリースだわな)、家にもどって飯を食べて、帯広北栄小学校にいった。
西2条の8丁目だったろうか、7丁目だろうか、小川釣具店さんがあって、10円玉もっては、「この針2本に、鉛(噛みつぶし)4個ください」なんて平気でいった。バカな小学生だ。
それから、わたしが成人になって、ずいぶん歳になって、釣具を買いにいくと名前も覚えてくれていた。わたしが、ごく少量の針や鉛しか買わない子供だったということが印象的だったのかな。10円だして「針、2本ください」のガキだからね。
小川釣具のお母さん、ご存命ならわたしの父と同じくらいの年齢だろうか。とても綺麗な人でしたが。
で、話は、帯広川のイワナ、ブラウンのことだ。
わたしは、30数年ぶりに故郷の帯広川で釣りをして、まず山女魚があたったので驚いた。ぴん子だが、帯広川の伏古橋で山女魚が釣れる?
(わたしは、柏林台に住んでいた中学生のとき、よくこの伏古橋まで釣り上がってきた。ウグイしか釣れないのが当然で、より大きいやつを釣りたくて、釣り上がってきた。そのときもう、このあたりまで上がっても、帯広川にはヤマメは、いなかった。下水の浄化が完備してないのか、農薬をやたら使うのか?)
50年後。
そのあと釣れたのが、すこし愚鈍なあたりと、持ったときの、ぬめっとした感覚と細長の体型で、マス科ではイワナと思った。『イワナが、なんでこんな下流にいるんだ?』
しかし、そいつには朱点があった。『イワナで、朱点……おまえは、オショロコマかいな』と思ったもんだ。
ブログで写真を公開すると、「ジジイ、それは、ブラウントラウトだよ」と教えていただいた。
わたしが北海道に住んでいたとき、30年まえかな、ブラウントラウトは、十勝平野の川にいなかったにな。ニジマスだけだろ、洋物は!
川に、ブラウントラウトがいるのは、素敵なことかい?