60年代の後半に放映されたモンキーズのテレビショーは、日本でも十代の若者に人気があった。それより少し前、まだテレビ放送が白黒だったときにも、音楽物の人気のホームコメデイがあった。アメリカのタイトルは「The Adventure of Ozzie and Harriet」、日本では「陽気なネルソン」といった。
2人の息子がいる夫婦オジーとハリエットの、ネルソン家のファミリーコメディーで、実際のミュージシャン親子が演じていた。父親役のオジー・ネルソンは、実際、ビッグバンドのリーダーで、母親役のハリエットは、そのバンドの歌手だった。そして二人の男の子デビッドとリッキーも楽器を演奏した。毎回かならず、一家で演奏して歌うシーンがあった。歌入りホームドラマなのだ。アメリカでは1952年のラジオの時代にスタートして、テレビになっても1966年まで続いた人気の番組だった。視聴者は、幼い少年だった二人の男の子が二十代の若者に成長していく過程をみていく。その兄弟の、下の子リッキーが、リッキー・ネルソンなのだ。
リッキー・ネルソン Travelin' Man https://www.youtube.com/watch?v=0janfcZ8LUw
リッキー・ネルソン Young World https://www.youtube.com/watch?v=1sRZzPbH7yg
リッキー・ネルソンのヒット曲「Travelin' Man」「Young World」を作ったのが、ジェリー・フラー Jerry Fuller 。このジェリー・フラーが、ゲイリー・パケット&ユニオン・ギャップを見出したプロデューサーだとリッキー・ネルソンのことを調べていて知った。
ゲイリー・パケット&ユニオン・ギャップ Woman,Woman https://www.youtube.com/watch?v=1hyJDLyUAoc
![Sony Music Direct](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/4158xLA%2BC0L._SL160_.jpg) |
ザ・ユニオン・ギャップ |
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1968年の発売、ユニオン・ギャップの「ウーマン、ウーマン Woman,Woman 」は、わたしがレコード屋になったばかりのヒット曲で、あの時代がよみがえってじつに感慨深い。YouTubeのコメントには、1968年、サイゴンのバーで戦友が残したテープでこの曲を聴いた、というような記載があった。
当時、十勝の浦幌には米軍のレーダー基地ロランCがあって、そこの米兵たちがわたしの店で大量にレコードを買ってくれた。時はベトナム戦争真っ最中で、若い兵隊たちは、戦場から休暇で日本にやってきていて、「またすぐサイゴンに戻るんだよ」、とヤケ買いのように十枚二十枚とロックのLPレコードを抱えて買っていった。あの兵士たちは、まだ十九か二十歳だったのだろう。
リッキー・ネルソンは、1960年代後半からカントリーの分野で活躍したが、1985年12月31日、ツアーでチャーターした飛行機が墜落してバンドメンバーとともに亡くなった。45歳だった。
リッキー・ネルソン Hello Mary Lou https://www.youtube.com/watch?v=ttMt9SHRwsM