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古い曲が気になる

ブルーノートが70周年

2009-07-14 | 日記・エッセイ・コラム

Albumcoversonnyclarkcoolstruttin

 サガラ音楽堂さんによると、ブルーノートが創立70周年だという。ブルーノートは、ドイツからアメリカにやってきたアルフレッド・ライオンが設立したジャズ専門のレコード会社だ。

 わたしの、ブルーノートのベスト・アルバムは、ジャケット的には、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」かな。女性の足の写真が印象的だ。のちにウエス・モンゴメリーの「ロード・ソング」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」などCTIレコードで、写真家ピート・ターナーの写真を大胆に、美しくつかうが、そのさきがけといえるデザイン・センスだ。

 ブルーノートの写真の多くは、やはりドイツからきた写真家フランシス・ウルフが撮影している。

 タイトルでは、ホレス・シルバーの「ソング・フォー・マイ・ファザー」。母に捧げるバラードは海援隊だが、これは、父に捧げる曲だ。ジャケット写真の、座ってる人が、ホレス・シルバーのお父さん。曲は、ボサノバをつかった、じつに心温まる旋律だ。

 音楽でベストは、たくさんすばらしいアルバムがあるが、ごく個人的な好みで、ジャッキー・マクリーンの「アバウト・ソウル」かな。ジャッキー・マクリーンのゴスペルぽい曲にあわせて、黒人女性詩人、バーバラ・シモンズが、詩を朗読する。奴隷にたえた黒人の魂をたたえる詩だ。歌じゃない。朗読だ。いまのラップのさきがけともいえる。このアルバムを、帯広三条高校山岳部の先輩、かつみさんから、20才の誕生日にいただいた。

Albumcoversongformyfather 「ソング・フォー・マイ・ファザー」

51e0b7iikgl__ss500_ 「アバウト・ソウル」

300portrait  写真家、ピート・ターナー

 

01  CTIレコードのアントニオ・カルロス・ジョビンのアルバム「Wave」につかわれた、ピート・ターナーの写真。

 日本で販売していたブルーノートのレコードは、すべて輸入盤だった。社長のアルフレッド・ライオンが、商売よりも、音質の落ちることを嫌って、外国のレコード・メーカーが、カッティング、プレスすることを許可しなかったのだ。

 レコードは、最終的な音源のテープができると、まっさらな原盤に音の溝が刻まれる。日本でもドイツのメーカー、ノイマンのカッティング・マシーンをつかう。この作業が、じつに職人仕事なのだ。溝の深さ、幅などは、人の手で調整される。このときのエンジニアの腕、好みで音質は大きく左右される。だから、おなじマスター・テープの音源で原盤をカットしても、アメリカのレコード・メーカーと日本ではおなじ音にならない。

 しかし、どれがいいかは、けっこう好みの問題でもある。日本のカッティングはトップ・レベルだという人もいる。現にクラシックなどでは、日本のメーカーに依頼して制作した原盤をつかうヨーロッパのメーカーがあった。

 ブルーノート社長のアルフレッド・ライオンは、じぶんで作った音がブルーノートの音で、それを加工されたくなかったのだろう。じぶん自身で、メンバーを集めて、録音する曲を決め、レコーディング・エンジニアをやってマスター・テープをつくり、原盤までカットしていた人だ。ドイツ人らしい実直な職人気質もあるのだろう。

Alfred_dexter442 アルフレッド・ライオンとディクスター・ゴードン

 

    写真家ピート・ターナーのホームページ http://www.peteturner.com/

    ジャッキー・マクリーン・クインテット Cool Struttin' (1986年、日本。Mt.フジ・ジャズ・フェス)http://www.youtube.com/watch?v=fZnZnU7F0R8&feature=related