とだ九条の会blog

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「核兵器廃絶」か「核抑止」か

2009年06月20日 | 国際・政治

「核兵器廃絶か核抑止か」--2009年6月14日付け「しんぶん赤旗日曜版」の「メディアをよむ」コラムで、新聞ジャーナリストの阿部裕氏が、4月6日付けの全国紙・地方紙の1面トップ記事の取り扱いについて言及し、こんな見出しの記事を書いていました。

阿部氏が取り上げた4月6日付け新聞の1面記事とは、この前日・4月5日のトップ記事が1面を飾るわけですが、4月5日というと、チェコ共和国の首都プラハで「核兵器のない平和で安全な世界」を目指す包括戦略について画期的な演説を行ったオバマ米大統領の演説がまず頭に浮かびます。オバマ米大統領の演説は「唯一核兵器を使用した核保有国として、米国には行動する道義的責務がある」と語ったように、それは米国の戦略大転換にとどまらず、人類史的意義を持つ内容だと阿部氏は指摘します。

唯一の被爆国・日本としては、まさに4月6日付け各紙の1面トップには、この記事が大々的に掲載されても当然だったのですが、この日の1面トップの見出しは、全国紙・地方紙いずれも4月5日に行われた北朝鮮による飛翔体(ロケット)発射実験をとらえて「北朝鮮ミサイル発射」だったのです。阿部氏によると、唯一、被爆地・広島に本社を置く「中国新聞」だけが、「『核なき世界』へ行動宣言--米大統領が包括構想」と1面トップで報道、国際面で演説全文と特別編集委員の論評を掲載したとのこと。
また、5月18日付け「東京新聞」が「ノーベル平和賞受賞の17人『核廃絶へ行動を』ヒロシマ・ナガサキ宣言」と報じましたが、結局どの全国紙にもこの画期的な記事は載っていなかったとのこと。日本政府のみならずメディアの大部分が、世界の平和と国際秩序に起きつつある大きな変化を軽視し、したがって、核兵器廃絶への展望を持てず、日米同盟・「核の傘」・核抑止論の呪縛(じゅばく)にとらわれたままと指摘します。

こんな状況ですから、自公政権与党と民主党タカ派は、北朝鮮の暴挙を口実に「軍事には軍事で」と「敵基地攻撃論」を公然と競い合う始末です。ソマリア沖の海賊対処を口実に、自衛艦を派遣、ジブチに陸海空3軍一体の恒久基地を作り、その次は「敵基地攻撃」と歯止めがないとも‥‥。「戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」を定めた憲法九条の精神は、彼らの頭の片隅にもないようだと嘆きます。

唯一の被爆国のメディアとして、オバマ演説を真正面から受け止め、核兵器廃絶のイニシアティブを取る、絶好のチャンス。国内外の平和を願う人々と連帯し、世論を喚起する--そこにこそメディアの存在の意義を見いだすべきとは阿部氏の指摘です。

【参考】2009年6月14日付け「しんぶん赤旗日曜版」

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