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GDPが2期連続プラスという“カラクリ”

2019年06月04日 | 国際・政治

消費税10%増税を控え、注目されていた今年1〜3月期の物価の変動を除いたGDPの伸び率について、前の3ヵ月と比較して年率+2.1%で、2期連続プラスだったと政府が発表しました。国民の感情からしたら、GDPがアップして景気回復したなどの実感はありません。

案の定、このGDPには“カラクリ”がありました。

GDPとは「国民総生産」のこと。国内で、一定の期間に新たに生み出された商品やサービスの価値の合計で、その国の経済規模を表しています。

日本では3ヵ月ごとに速報値が発表されていて、前の3ヵ月と比較することで経済がどれくらいの勢いで伸びているかを判断する指数にしています。

GDPは「国内需要(内需)」と「海外需要(外需)」の2つの要素を足し合わせて出しますが、今回、GDPを押し上げた“カラクリ”は「外需」にありました。

 「外需」とは、「輸出」から「輸入」を差し引いたものです。

今回、その「輸出」が、IT関連の需要の落ち込みからー2.4%だったものの、「輸入」が昨年秋以降の原油価格の下落でー4.6%と、10年ぶりの大幅な減少となったことから、「輸入」の方が大きな減少幅になりました。 

つまり、「外需」=「輸出(ー2.4%)」ー「輸入(ー4.6%)」=+2.2とプラスになったのです。 

「外需」のうち、「輸出」は日本国内で生み出された商品やサービスを海外で販売するため、増えれば増えるほどGDPではプラスに作用します。

しかし、「輸入」は「海外で生み出された価値」で、GDPを計算する際に差し引かなければならないため、「輸入」の増加はGDPにとってマイナス方向に、「輸入」の減少はGDPにとってプラス方向に働くわけです。

ですから、仮に「内需」の弱さを反映して「輸入」が減少したとしても、GDPではプラスに作用するのです。今回は、原油価格の下落などの影響で「輸入」が大きく減り、「輸出」の減少幅を上回ったことから計算上はGDPを押し上げることになったというわけです。

一方、「内需」はどうかというと、「内需」の内訳では「公共投資」は+1.5%とプラス、さらに「住宅投資」もプラスだったのですが、GDP全体の半分以上を占める「個人消費」が、食料品の相次ぐ値上げなどで、ー0.1%となりました。

その上、企業の「設備投資」は、中国経済の減速の影響などで、投資を先送りする動きが出て-0.3%に。

つまり、これまで景気を支えてきた「内需」が振るわなかったのです。

国内の需要がそんなに強くなくても輸入が減っていれば、その分、GDPについては強く見える、そういうような統計上の“カラクリ”がある。内需の柱である家計消費、企業の設備投資については今回、マイナスということなので、実態としてバラ色というほどではない状況です。

政府は、雇用や所得環境は良好で「内需」は堅調だとの見方を崩していませんが、実際、日本経済が力強さを欠いているのは事実です。5月24日には政府の公式な景気判断となる「月例経済報告」が発表されますが、今回の結果を踏まえ、政府がどのような認識を示すのか、注目されます。

  

【出典】2019年5月20日配信「NHK news web」

 

〈景気「緩やかに回復」維持、判断は下げ 5月月例報告〉

政府は24日に公表した5月の月例経済報告で「景気は緩やかに回復している」との認識を維持した。雇用や企業収益などが引き続き堅調とみているためだ。ただ米中貿易摩擦の輸出・生産への影響を踏まえ、総括判断は2カ月ぶりに下方修正した。先行きについても「弱さが残る」とし警戒が必要との考えを示した。

国内景気では、内閣府が13日に公表した景気判断が6年2カ月ぶりに「悪化」に転じた。この判断は生産関連の比重が大きい景気動向指数から機械的にはじいたものだ。結果を受けて政府が景気の全体感を示す月例経済報告が注目されていた。

政府は第2次安倍政権が発足した後の13年7月以降、月例経済報告では一貫して「回復」の表現を続けている。茂木敏充経済財政・再生相は24日の記者会見で、12年12月から続いているとみられる戦後最長の景気回復について「途切れたとは考えていない」と述べた。

今回の月例経済報告で「回復」の認識を変えなかった理由は、内需を支える雇用情勢や企業収益が堅調なことをあげた。輸出や生産は「一部に弱さがみられる」から「弱さが続いている」として総括判断を下方修正したが、雇用情勢は「着実に改善している」、企業収益は「高い水準にある」とする表現を継続した。 

先行きは「一部に弱さが残る」とした4月の報告から「一部に」を削除し、「弱さが残る」に修正した。念頭に置くのは米中貿易戦争の影響だ。

米国の対中関税引き上げで5月の報告が反映したのは18年9月に始まった第3弾までだ。第4弾の3千億ドル分が発動された場合の影響は織り込んでいない。貿易摩擦が激化すれば国内景気が不安定になる懸念が高まる。10月の消費増税を控え、追加の経済対策が必要になる可能性もある。


【出典】2019年5月24日配信「日経新聞」

  

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