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いつから「日米同盟」という言葉が登場したのか(4)

2007年08月25日 | ニュース
昨日に引き続き「日米同盟」について見ていきたいと思います。

ブックレットでは日米共同訓練や装備の一体化だけでなく、「米軍・自衛隊基地の一体化」が進んでいると指摘します。自衛隊基地の「共同使用」、自衛隊基地の「米軍基地化」です。


米軍基地には「2・4・a 基地」と「2・4・b 基地」があるそうです。「2・4・a 基地」とは、日米地位協定2条4項aにもとづく基地で、米軍に提供した基地に自衛隊や国・地方の機関が共同使用している基地のこと。三沢米空軍基地がそれで、航空自衛隊北部方面隊司令部が置かれているという具合です。一方、「2・4・b 基地」とは、日米地位協定2条4項bにもとづく基地で、自衛隊基地を米軍が一時的に使用する基地とのこと。横須賀米海軍基地に海上自衛隊自衛艦隊司令部が隣接して配備され、第2潜水艦隊群や対潜水艦センターが日米共同使用されていることをはじめ、佐世保米軍基地や厚木米軍基地など日米共同使用されている米軍基地などを指しています。
こうした「基地」のなかで、1980年後半から、米軍と自衛隊の一体化が強化されはじめ、自衛隊基地を米軍と共同使用する「2・4・b 基地」が急増してきたと指摘しています。

この自衛隊基地を米軍が共同使用する「2・4・b 基地」化は、1960年には全国で2ヵ所・面積82haだったのですが、1985年には22ヵ所・面積51040haと増え、全国に105ヵ所ある米軍専用基地の面積をこの年はじめて上回ったということです。2004年には共同使用基地は全国で更に増え、57ヵ所・面積で約7万haとなり、ベトナム戦争時の在日米軍基地面積を上回っているとのことです。1980年当初まで米軍基地が1ヵ所も置かれていなかった北海道にも、現在、共同使用基地が17ヵ所・面積で34000haに登っているといいますから、その拡大ぶりはよく分かるというものです。航空自衛隊のレーダー・サイトは全て自衛隊の専用基地でしたが全国28ヵ所のうち12ヵ所は米軍との共同使用となっています。

このように米軍と自衛隊の共同基地化はなぜ拡大されたのか――。それは米国が慢性的な財政赤字のため在日米軍基地を拡大できないため、自衛隊の基地を米軍基地化して、米軍の軍事態勢維持に利用するためであるとブックレットは指摘しています。つまり日米共同使用することで、その基地の修理・維持費は日本負担ですから、米軍は経費をかけずに米軍態勢を維持できるわけで“一石二鳥”なのです。
そしてそれは同時に、米軍基地の「縮小・撤去」を求める日本国民との摩擦を解消するという二重の狙いがあることを指摘しています。米軍基地が戦後60年もの長い間居座り続けることは、日本国民から批判を受けていますが、共同使用化は「看板は自衛隊基地としながら、事実上米軍基地として利用すること」を可能にするシステムをつくったというわけです。
安倍政権は、「日米同盟」の名のもとに、「専守防衛」が目的だった自衛隊を、ますます米軍と訓練も行動も基地も一体化させられながら、「アメリカと肩を並べて海外で戦争ができる自衛軍」に変貌させようとしているのです。


【参考】『米軍・自衛隊一体化と日本国憲法~市民を監視し海外で戦争へ~』(安保がわかるブックレット② 安保破棄中央実行委員会/編集・発行、頒価400円)


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