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麻生副総理の「ナチスの手口に学べ」発言を糾弾する

2013年08月04日 | 国際・政治

麻生太郎副総理・財務相が「ナチス肯定発言」をした問題で国内外から批判の声が上がっています。

問題の発言は、7月29日に都内で行われた右翼 改憲派のシンクタンク「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)の7月例会で飛び出したもの。
「憲法もある日気が付いたら、ワイマール憲法もいつの間にナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」と述べたもので、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)や「朝鮮日報」など国内外からの批判が相次ぎ、麻生氏は発言を「撤回」、早期の“火消し”を行いました。

麻生氏は、この発言は「喧噪(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまったあしき例」としてあげたと言い、「真意と異なり誤解を招いたことは遺憾」としながら、「私がナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らか」と弁明し、「ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」という談話を発表しました。

しかし、発言は「ナチスの手口に学ぶこと」を勧めているように「否定的にとらえている」とはいえません。「あしき例」として言及したものだなどという弁明は到底成り立つものではありません。「ナチスに学べと言ったことは間違っていました」と謝罪するならまだしも、こうした言い逃れは世界的にも通用しないでしょう。

そもそも、ドイツにおけるナチス独裁政権の誕生とワイマール憲法の機能停止は「誰も気が付かないで」起こったわけでもありません。1933年1月に首相に就任したヒトラーは、就任直後に自分たちで国会に放火(国会議事堂放火事件)しながら共産党に罪をなすりつけ、それを機に、共産党、労働組合、社民党などを次々に非合法化し、ついにナチス党以外の政党の結成を禁止して一党独裁体制をしきました。その過程の中で、ヒトラーはいわゆる「授権法」(全権委任法)を成立させ、ワイマール憲法を機能停止に追い込んだのです。
したがって、ワイマール憲法の機能停止は「誰も気が付かないで」すすんだどころか、ヒトラーの無法な暴力と弾圧の嵐の中で強行されたものであり、この謀略や暴力的なやり方に全く触れずに「手口を学んだらどうかね」と言うのは、ナチズム肯定と民主主義否定の暴論であり、世界共通の価値観に逆行するものと言わねばなりません。

問題は、麻生氏の発言が今回だけでないということです。過去の発言でも「(日本は)一国家、一文明、一言語、一文化、一民族、ほかの国を探してもございません」(2005年10月15日)は「一つの民族、一つの帝国、一人の総統」というナチスのスローガンを想起させます。そのほか麻生氏の過去の発言のここそこに、弱者を切り捨て、差別を助長し、「優秀な遺伝子」だけを残すという発想がナチズムと酷似していると指摘されています。

ナチズムを肯定し、民主主義を否定するなど、世界共通の価値観に逆行する政治家は国際政治にも国内政治にも参加する資質も資格もありません。

【出典参考】2013年8月2日付け「しんぶん赤旗」

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