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安倍首相の所信表明演説に、自民「異様」なスタンディングオベーション――その問題点とは

2016年09月29日 | 国際・政治

自民党の小泉進次郎議員も疑義を呈し、野党が批判した安倍首相の所信表明演説での「異様」なスタンディングオベーション。大島理森議長からも「ご着席下さい」と注意が出るなど「異様」な光景でしたが、「議会のマナー」という単純なことではなく、そこには本質的な問題が……。いったい何が問題なのか―――2016年9月28日配信「BuzzFeed Japan」、同「朝日新聞デジタル」から記事を転載させていただき、その問題点を紹介します。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


<安倍首相の演説に「異様」なスタンディングオベーション なにが問題なのか?>


それは、あまり見ることがない光景だった。舞台は9月26日に開会した臨時国会、安倍晋三首相の所信表明演説だ。

安倍首相は「現場では夜を徹して、そして今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が任務に当たっています」と述べる。そして「彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけ、これに呼応するように、自民党議員らが起立して大きな拍手が沸き起こった。安倍首相は壇上で、自らも拍手した。

大島理森議長はしばらくして「ご着席下さい」と注意をした。その後、インターネット上でも、この行動が話題になっている。

首相の呼びかけに応じて、国会議員が立ち上がって拍手を送る。一体、何が問題なのか。


■野党は「ちょっと異常」、小泉進次郎さんは「僕もびっくりして、つい立った」

野党からは「ちょっと異常な光景だ。自画自賛をするためにやっていると、言論の府ではなくなってしまう」(朝日新聞より日本維新の会、馬場伸幸幹事長の発言)。当の自民党内部からも「あれはないよね。あれは私も含めて、ちょっとおかしいと思いますよ。(中略)僕もびっくりして、つい立っちゃったよ」(小泉進次郎議員の発言)と疑問の声があがりはじめた。

しかし、この問題。「議会のマナー」、異様か否かが問題になってしまいそうだ。本当にそこが、争点なのだろうか。


■問題の本質「国会議員は内閣をチェックする立場」

法曹界からは「三権分立の意味をどれだけ理解しているかの問題だ」という指摘する声があがる。三権分立は内閣、国会、司法がそれぞれにチェックを働かせることで、権力の濫用を防ぐシステム。

「つまり、安倍首相は内閣のトップであり、行政機関を束ね、政策を実行することが仕事です。大事なのは国会のトップではないということです。国会は法律を作る権限を持ち、内閣をチェックする機関です」と話すのは、弁護士の小笠原基也さんだ。

「問題は安倍首相は内閣のトップなのに、あたかも国会のトップであるかのように、敬意を払うよう国会議員に求め、チェックする立場にあるはずの議員たちが、無批判に起立し、拍手で応じたことにあります」

「憲法には、国会は国権の最高機関と定められています。国会議員は、国民の代表として、あくまで民意に従って議論を進めることが求められる。国民の代表として、内閣との緊張関係にある、という意識をどれだけの議員がもっているのか。疑問が残ります」と指摘する。


■「国会は党大会の場ではない」

お互いをチェックする立場にあるはずなのに、それができていないのではないか。それが小笠原さんの疑問だ。

「国会は党大会の場ではありません。あの場に立っているのは自民党のトップではなく、内閣総理大臣。敬意を払うよう求める安倍首相も、応じる議員も何か勘違いしているように思えてなりません」


【出典】2016年9月28日配信「BuzzFeed Japan」

 

<自民議員の起立・拍手、下村氏「感動して自然に起きた」>
  
(憲法改正で)一番注目されるのは9条だ。自民党も憲法の3原則、平和主義、国民主権、基本的人権は守るべきだと思っている。1項は変える必要はない。しかし、2項(は違う)。自衛隊が存在することで、東日本大震災の時も熊本地震の時も、献身的に努力し、国民の命と財産を守ってくれた。今も中国の公船が日本を侵犯する中、自衛隊の皆さんが守ってくれている。それが憲法の中にきちんと書かれていない。自衛隊を明文化し、憲法の中に位置づけるべきだ。

安倍総理の所信表明演説の時、警察、消防はじめ、自衛隊の諸君が私たちの命と財産を守ってくれている、皆さんに感謝しようということで、国会で初めてスタンディングオベーションが起きた。自民党議員だけが立ち上がった。野党から抗議があったが、党執行部が指示したわけではなく、総理の演説に感動して自然に起きた。それだけ素直に、自衛隊の皆さんに対する敬意を持っているということだ。(東京都内であった国家基本問題研究所のシンポジウム「ひるまずに憲法改正を言え!」で)


【出典】2016年9月28日配信「朝日新聞デジタル」


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