タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

胎動カウントで予定日まで分かる

2017-10-13 20:56:01 | 産科
神戸市長田区の悠太(ゆうた)くん、9月7日生まれ。
「よく笑う子になってください。お姉ちゃんに負けずに。
2人目で初めて立会いをしてもらいました。心強くて、最後まで笑顔でお産できました。
同室が初めてで不安でしたが、優しくしていただき、しっかり甘えさせていただきました。」

1人目は他院でのお産でしたね。
だからタマル産との違いが分かってもらえましたか?
ご主人がお産にずっと立ち会えるなんて、なかなかできませんからね。
ご主人にとっても、良い経験になると思うのですよ。

赤ちゃんの同室も、強制ではありませんよ。
ゆっくりしたければ、預かってもらって構わないのですから。
へその緒が2回巻いていて、そのせいでお産も長引きましたが、無事に産めてよかったですね。

それでは今日の話題ですよ。
開業した頃から、妊娠の第10ヶ月頃になると、みなさんにある宿題を出しています。
それが「胎動カウント」なのです。

お腹の中の赤ちゃんが、元気かどうか調べる検査です。
検査と言っても簡単で、10回動くのに何分かかったかを計るだけです。
寝る前や、お風呂上がりなんかが、簡単かもしれませんね。
寝る前だと、そのまま眠ってしまう、というお母さんもたまに居られますけれどね。

アメリカのアイオワ州では、こんな報告も有りましたよ。
ヤフーニュースで見たのですが、
エミリー・イーコフさんは、無料のスマホアプリで胎動カウントを始めたそうです。
妊娠33週で、胎動に変化を気付き、病院にいったら、すぐに帝王切開になったそうです。
首にへその緒が3回巻いていて、危険な状態だったという話です。

だから、ここまでは世界共通です。
ですが、この記事だけでは、詳細は分かりませんね。
ひょっとすると、へその緒が引っ張れて、常位胎盤早期剥離などの病気が起こったのかもしれません。
ただ単に、へその緒が、たとえ3回巻いていたとしても、それだけでは帝王切開になりませんからね。

ですが、この胎動図、これを発展させると、興味あることにたどり着きます。
元気かどうかを調べるだけでなく、赤ちゃんがいつ生まれるか、までわかる可能性が有るのです。
ただしこのことを知っているのは、ごく少数の医師だけです。

赤ちゃんが生まれる2週間前になると、決まって胎動曲線に変化が観られるのです。
だから、いつ生まれるか、という質問にも答えられるというわけです。
これを発見されたのは、日本産婦人科学会の他の会員の先生なのですが、
この記事がむかし学会誌に小さく載っていたのですよ。
その事実を長い間、大切に育ててきたのは、全国でもタマル産くらいではないでしょうか。

という貴重な検査なのですが、やられる方もあれば、もちろんしない方も居られます。
学校と同じですよ。
ただし自分にとって利益が有ると感じられれば、付けてみたくなるかもしれませんね。

でも最近は、ノートに付けるより、スマホに付けるお母さんの方が多いのではないですか。
陣痛-胎動カウンター-カンタンに計測できるアプリ

他にもいろいろ有るようですから、試されてみてはいかがでしょうか。


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