タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

助産師外来始めています

2022-03-25 20:45:05 | 産科
兵庫県が調査した新生児聴覚検査の実施率を改変して作ってみたのが上の表です。

最近は国の指導も有って、たいていの施設で行われているのです。
意外にも神戸などでは、分娩できる助産所がいくつも有るのですね。
もちろんすべて私立ですけれど。
丹波市にも助産所は2軒有りますが、分娩を取り扱っていないので、数に入っていませんね。
助産所では高価な聴覚検査の機器は持っていなくて、共同購入して使っているようです。
丹波には医療施設は2つとなっていて、もちろんタマル産と県立病院ですよ。
都会以外では分娩できる施設って、少ないのが分かりますね。
兵庫県全体で分娩できる施設は87施設なのですって。

ところでもう1つ、最近の調査結果が送られてきました。
それは助産師の資質向上、確保対策に関する調査(診療所)というものです。
こちらは87施設のうちで54施設しか回答が得られていないのですが、参考にはなりそうです。
令和2年度の分娩数は14,223件で、うち帝王切開が2,102件、帝王切開率は14.8%だったようです。
診療所では帝王切開率が低いですね。
病院ではだいたい30%くらいですからね。
タマル産では令和3年度は帝王切開は1件のみで、1%を下回っていましたよ。
もちろん双胎や異常分娩は事前に病院に紹介していますが、それは数%も有りません。

ですがこの調査の目的は、病院での助産師が分娩介助をする機会が少なくて、資質が向上できないという問題からなのです。
それに対して分娩の半分を扱う診療所へは、助産師が少ないから派遣したいというものです。
病院は出向させて助産師のレベルアップを計りたいだろうという思惑からです。
ですが結果は、病院側も出向させるほど助産師は余っていないし、
診療所側も、賃金や身分の関係で受け入れには難が有るとされましたよ。
だから当分はこの話は進まないことでしょう。

ちなみにタマル産では最近、助産師外来を始めて助産師のレベルアップを計っています。
別に医師が手を抜きたいわけではありません。
妊婦さんにも評判が良いのではないですか。
お産もリスクの少ないものは、助産師に任せることも出てきましたからね。
ですが3人に1人はお産って、リスクが高いのですよ。
みなさん、普通に生まれると思っておられるようですが。
バースプランを作成してもらうと、分娩時に家族写真を撮ってほしいという意見が多いことからも分かります。

タマル産の職員の親戚がカナダで分娩したのですが、
健診もお産も、一度も医師の診察を受けないのですって。
しかも産んだらその日に退院ですよ。
海外ではそれが当たり前の風景なのです。
日本だけですよ、こんなに手取り足取りなのは。
どうりで医療費がかさむわけですね。