タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子宮のポリープの種類

2017-01-27 21:01:06 | 婦人科
三田市学園の徳海(なるみ)くん、12月21日生まれ。
「徳が有る人になって、周りの人を幸せにする人に成長してください。
5人目の出産となるので、しっかり産めて安心しています。
今回も大きなベッドで、ゆっくりくつろげました。」

4人目ちゃんと5人目ちゃんをタマル産で産んでもらったのですよね。
三田市からわざわざ里帰りでもなく、お友達の紹介で来院していただきました。
日本の母は、その子だけの幸せでなく、他人の幸せまで考えるところが偉いですね。

さて今日は、子宮にできるポリープのお話にしましょうか。
子宮頸がん検診に行くと、よくポリープができていますね、と言われることが有ります。
検診車や人間ドックでは、ポリープだけ指摘されて、
婦人科を受診して切除してもらうように言われるだけです。

よく大腸検査や胃がん検診でもポリープを指摘されてカメラで切除するでしょう?
それと似たようなものを想像されるのでしょうね。
確かに腸や胃のポリープは、悪性であることがよく有ります。
だから必ず取りますね?

それに比べて子宮にできるポリープは、まず良性です。
ただし出血の原因となることも有るので、見つけたら取ります。
でも取っても取っても、また再発することが多いのです。
原因はウィルス説が有力ですが、不明とも言えますね。

むかし大学病院に居る時に、主治医ではなかったのですが、
妊娠中に子宮頸管ポリープを持つ女性が、産後に取ってもらったところ、
悪性だったということが有りました。
妊娠中にポリープを取るとたくさん出血することが有るので、産後にしたのでしょう。
この症例は学会発表ものだったのですが、逆に言うと、それほど悪性はまれだという話ですよ。
まあ、がん検診で見つかれば、取っておくにこしたことは有りません。

これとは別に、子宮の奥、子宮体部にできるポリープというのも有ります。
1個だけのこともありますし、子宮の全面がポリープだらけのことも有ります。
ただし全面の場合は、むしろ子宮内膜増殖症と呼んだ方が良いでしょう。
この場合も、悪性と区別がつかないようなものも確かに有るのですが、
ほとんどは良性です。

不妊症の原因になるので、取った方が良いと書いてある本も有るようです。
ですが最近経験したのですが、子宮体部にできるポリープは、
外からは目で見えないので、子宮の奥を全面ひっかいてくるという手術をするのです。
いわゆる流産の時にするような手術ですが、さらに強力にされるのです。

今回、他院で不妊症の治療後に妊娠され、タマル産でたまたま産まれた方が居られます。
3箇所の不妊治療施設で子宮のそうは手術を5回も受けられ、
妊娠はされて、お産もされたのですが、胎盤が出てこないのですよ。
そう、癒着胎盤というものです。
何回も子宮の中を手術したものだから、子宮の中が荒れてしまって、
胎盤がスルッと出ないのです。

癒着胎盤の原因は、このように子宮の手術をされている女性に多いのです。
流産や中絶、そして今回のようにポリープの手術ですね。
あるいは性感染症の後にも多いです。
子宮外妊娠をされる女性と、原因はよく似ています。

もう1つ付け加えるなら、子宮頸管のポリープなら、再発しやすいとはいえ、
切除すると当分は再発しません。
それに対して、子宮体部のポリープは、放っておいても、月経ごとに、毎月無くなるのですよ。
そして毎月、子宮内膜が分厚くなるのにしたがって、ポリープ状に大きくなってくることを繰り返すのです。
だから先ほどの女性のように、取っても取っても、
違う施設で見てもらう毎に、5回も手術しても、結局無くならないのですよ。
それどころか、癒着胎盤になってしまうほど、子宮の中が荒れてしまうのですね。


結論として、子宮頸管ポリープは見つけたら取る。
ですが、子宮体部のポリープは放っておいた方が良いでしょう。
これが私の経験上の法則です。