タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

アフターピルのはなし

2013-11-20 21:58:38 | 婦人科


男の子と女の子って、ぜんぜん違いますね。
男の子しか産んでいないお母さんは、女らしくなるし、
女の子しか産んでいないお母さんは、むしろしっかり者になるような気がしていますが、
いかがでしょうか?

さて、今日は水曜日ですから婦人科の話題です。
最近の久しぶりの処方としては、緊急避妊薬でしょうか。
都会のクリニックなら、物凄い数の処方が有るようですが、
タマル産では、忘れた頃にしか処方していませんよ。
性交後ピルとか、アフターピルと言われるものですね。

けっこう高額な薬でびっくりされるのですが、1万円では足りません。
本当に医療費とは、殆どが薬メーカーの収益になっているのです。
薬価を下げれば医療費の抑制なんて簡単なのに、なかなか手をつける政治家が居ませんね。
ネットで調べると、3千円くらいの薬代で処方しているクリニックが有りますが、
これは適応のない薬を使っているものです。
日本で認められているのは、ノルレボ錠という名前のものだけですから注意してください。
ネットで外国から薬を個人輸入なんてしたら、万一血栓症などの副作用が出た時に、
誰も補償してくれませんよ。

ただし値段の割に、アフターピルは避妊効果が低い薬です。
90%以上避妊できると書いているページも散見しますが、
実際には、時間が経つほど避妊効果も落ちていきます。
72時間以内に飲むように、と言われますが、
これは72時間したら突然効果がなくなるというものではなく、徐々に効果が減じるので、
なるべく早く飲むのがいいという意味です。

しかもアフターピルを貰いに来る女性は、たいてい一度では済みません。
またしばらくして同じように来院されることが有ります。
ではどうすればいいのかと言えば、性交前に規則正しくピルを飲むのがいいでしょう。
これならば100%の避妊効果が有ります。
しかも費用もずっと少なくて済むし、計画的な避妊ができます。

タマル産が開業した14年前に、日本ではちょうどピルが解禁されました。
この時は尼崎まで発売記念講演会に行ったから、よく覚えています。
しかも大勢の前で質問までしてしまいましたから。
これで日本も欧米並みに、計画妊娠がすすむだろうと期待されたのですが、
それから14年経過したのに、未だに低水準が続いています。
実のところ私は、日本人はできちゃった婚が多いので、それもいいかなと思っている1人ですが、
職業柄、そんなことはあまり言えません。
そこから先は、皆さん個々人が考えなければいけませんからね。

1つだけ付け加えるなら、ここにきて子宮内膜症の治療薬にピルが保険適応されましたから、
知らず知らずのうちに内服することになった方が増えました。
いえ、もちろん説明していますから本当に知らないという意味では有りませんよ。
本来の目的とは違うところで避妊することになったという意味です。
若い女性は、きちんと避妊しないと1年以内に80%妊娠するのです。
言い換えれば、もし避妊を適当にしているなら、1年以内に妊娠しなければ異常だということです。
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