フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

風の国

2014-07-10 23:16:16 | Weblog
日本は風の国とも言います。「いなさ」「あおぎた」「ひかた」「ひばりごち」「かいよせ」これらは土地土地でさまざまに吹く風についた名前です。台風の時の強い風だったり季節の変わり目を告げる静かな風だったり、こういう名前が全国に沢山あります。目まぐるしい四季の移ろいと、山あり谷あり、海辺ありの複雑な地形がもたらす折々の風があります。風の国であるからこそ日本人はことのほか風に感じやすいのでしょう。
しかし今回の台風は風と共に雨が強烈です。古くから日本の文学の世界では、風と水の風情を描くことが多くありました。そよと吹く風、さらさらと流れる水、まさに自然そのものが癒しをもたらしてくれます。ところが同じ風や水であっても、大水、暴風となると恐怖をもたらします。これをどう受け止めるのか。永遠のテーマかもしれませんね。癒しの状態の自然に我々は感謝の気持ちが足らないのかもしれません。余りにも喉元過ぎれば的なので、こうしたことが繰り返すのでしょう。反省!