フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

言葉は丁寧でも

2013-04-05 16:20:35 | Weblog
「お祈りメール」というものがあるそうです。それは、企業が就活に訪れた学生で企業の選考に漏れた学生に送るメールのことで『今後のご健闘をお祈りしています。』というのです。こうしたメールが次の就活に躍起になっているときに届くのですから、受け取った学生の中には心がめげてしまう人も出て来ています。就活の期間は学生達が立て続けに強いストレスを受けていますからちょっとした心のこもらない言葉に反応してしまうのでしょう。
昔から日本には「慇懃無礼」という言葉があります。丁寧に丁寧にしゃべればしゃべるほど相手の心を傷つける喋り方です。こうした丁寧さがかえって嫌味になるわけです。ですから言葉のやり取りも手順を踏んでだんだん変化していきます。はじめから馴れた喋り方をしても駄目ですし、ある程度付き合いが深まったにも関わらず馬鹿丁寧な喋り方をしても駄目。本当に難しいものですが、やはり基本は相手の気持ちを斟酌することに尽きるです。論語の「己の欲せざるところを人に施すこと勿れ」ですね。