竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌3950から集歌3954まで

2022年12月16日 | 新訓 万葉集
集歌3950 伊敝尓之底 由比弖師比毛乎 登吉佐氣受 念意緒 多礼賀思良牟母
訓読 家にして結(ゆ)ひてし紐を解き放けず思ふ心を誰れか知らむも
私訳 都の家で結んだ契の紐を解き衣を脱がず、貴女を慕う私の気持ちを誰が気付くのでしょうか。
右一首、守大伴宿祢家持作
左注 右の一首は、守大伴宿祢家持の作

集歌3951 日晩之乃 奈吉奴流登吉波 乎美奈敝之 佐伎多流野邊乎 遊吉追都見倍之
訓読 ひぐらしの鳴きぬる時は女郎花(をみなへし)咲きたる野辺を行(ゆ)きつつ見べし
私訳 蜩が鳴く時節には、女郎花が咲いた野辺を出かけて行って眺めるべきです。
右一首、大目秦忌寸八千嶋
古謌一首(大原高安真人作) 年月不審。但随聞時記載茲焉
左注 右の一首は、大目(だいさくわん)秦忌寸八千嶋
古き謌一首(大原高安真人の作) 年月は審(つまび)らかならず。但し聞きし時のまにまに茲(ここ)に記し載す。

集歌3952 伊毛我伊敝尓 伊久里能母里乃 藤花 伊麻許牟春毛 都祢加久之見牟
訓読 妹が家に伊久里の杜(もり)の藤し花今(いま)来(こ)む春も常(つね)如此(かく)し見む
私訳 愛しい貴女の家に行く、その言葉のひびきのような伊久里の杜の藤の花、今年やって来る春も、いつものように眺めましょう。
右一首、傳誦僧玄勝是也
左注 右の一首は、傳(つた)へ誦(うた)へるは僧玄勝、是なり

集歌3953 鴈我祢波 都可比尓許牟等 佐和久良武 秋風左無美 曽乃可波能倍尓
訓読 雁がねは使ひに来むと騒(さわ)くらむ秋風寒みその川の上(へ)に
私訳 雁は遠くからの使いとしてやって来るとばかりに鳴き騒いでいるようだ。秋風が寒い、その川のほとりで。

集歌3954 馬並氏 伊射宇知由可奈 思夫多尓能 伎欲吉伊蘇末尓 与須流奈弥見尓
訓読 馬(むま)並(な)めていざ打ち行かな渋谿(しふたに)の清き礒廻(いそみ)に寄する波見に
私訳 馬を並べて、さあ打ち揃って行こう。渋谷の清らかな磯廻に打ち寄せる波を眺めに。
右二首、守大伴宿祢家持
左注 右の二首は、守大伴宿祢家持
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