竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌1947から集歌1951まで

2021年06月23日 | 新訓 万葉集
集歌一九四七 
原文 難相 君尓逢有夜 霍公鳥 他時従者 今杜鳴目
訓読 逢ひかたき君に逢へる夜霍公鳥(ほととぎす)他(あした)時(とき)ゆは今こそ鳴かめ
私訳 逢い難いあの御方に(夢に)逢える夜、ホトトギスよ他の時よりまして、今こそ「カツコヒ(片恋)」と鳴いてください。
注意 原文の「杜」は「社」の誤記とする説があり、その説では説平安以降の用法とします。

集歌一九四八 
原文 木晩之 暮闇有尓 (一云 有者) 霍公鳥 何處乎家登 鳴渡良武
訓読 木(こ)し晩(くれ)し夕闇(ゆふやみ)なるに (一(ある)は云はく、「なれば」) 霍公鳥(ほととぎす)いづくを家(いへ)と鳴き渡るらむ
私訳 木々が茂り暗くなるような、そんな夕暮れ時にホトトギスよ、どこを「カツコヒ(片恋)」とその鳴き声を聞かせる家として鳴き渡っていくのか。

集歌一九四九 
原文 霍公鳥 今朝之旦明尓 鳴都流波 君将聞可 朝宿疑将寐
訓読 霍公鳥(ほととぎす)今朝(けさ)し朝明(あさけ)に鳴きつるは君聞きけむか朝寝(あさゐ)か寝(ね)けむ
私訳 ホトトギスが今朝の朝明けに私の想いである「カツコヒ(片恋)」と鳴いたのを貴方は聞きましたでしょうか。それとも朝寝して寝ていたのでしょうか。

集歌一九五一 
原文 慨哉 四去霍公鳥 今社者 音之干蟹 来喧響目
訓読 慨(うれた)きや醜(しこ)し霍公鳥(ほととぎす)今こそば声し嗄(が)るがに来鳴き響(とよ)めめ
私訳 恨めしい。融通の利かないホトトギスよ、今こそは、ここにいるあの人の前でその声が枯れるほどに飛び来て「カツコヒ(片恋)、カツコヒ」と鳴き声を響かせて。

集歌一九五〇 
原文 霍公鳥 花橘之 枝尓居而 鳴響者 花波散乍
訓読 霍公鳥(ほととぎす)花橘し枝に居て鳴き響(とよ)もせば花は散りつつ
私訳 ホトトギスが花橘の枝に居て、その鳴き声を響かせると花は散っていく。
注意 西本願寺本では歌の掲載順が集歌一九四九、一九五一、一九五〇となっています。。
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