○参加4名(うち、都レンジャー2名)
5月前半は6号路案内の特別活動や、利用動態調査もあり、人数が分散してしまうのもわかるのですが… ちょっと寂しい参加者数でした。9月の調査には、もっと多くの方が参加していただけるよう、お願いしたいものです。
今回の調査で感じたことは、「サンプリング方法や、手順統一の難しさ」でした。
パックテストを使って計測している項目には、アンモニア、硝酸、亜硝酸と窒素に関連するものが3つありますがが、硝酸イオン用のパックテストは、亜硝酸イオンの方と強く反応してしまう性質があります。硝酸イオンの濃度を正確に計るには、亜硝酸イオン用のパックテストでも計測を行い、もし亜硝酸イオンが検出された場合にはサンプルを持ち帰ります。そして、薬品で亜硝酸イオンを処理してから硝酸イオンを計測しなければ、正確な濃度を計測することはできないのです。
今回、日影沢側で亜硝酸イオンが検出されたポイントがあったのですが、そこで採取したサンプルの亜硝酸イオン濃度を再度計測してみたところ… さっぱり反応が起こりません。色は赤くならず、透明のままです。これは
・最初に(現地で)採取した時のサンプリング方法や計測方法に何らかの問題があった
・持ち帰り用に採取したサンプルが、最初に使用したサンプル(バケツに汲んだもの)とは別物だった
などの原因が考えられます。
今回のような現象が起こった場合どうすれば良いか、もう少し手順を考える必要がありそうですね。
また、今回残念だったのが、大腸菌群検査用紙でした。あの検査用紙は大腸菌群がいた場合、赤紫色の鋭いスポットが現れます。それ以外のぼやっとした赤変は他の細菌によるものです。高尾山周辺で大腸菌群(らしきもの)が検出されるのは非常にまれなのですが、どの地点でもある程度の雑菌類は検出されます。
ところが今回、何も検出されない検査用紙が数多くありました。原因は「検査用紙を水に十分に浸していないこと」だと思われます。中には上の方(手で持って切り取る方)が乾いたままのものもあったところから見て、片端だけを水に入れて、水を吸わせたのではないでしょうか?
ただ、過去のデータなどと比較すると、ずいぶん皆さんの技量が向上してきているのがわかります。昔は3つの測定値が「2、10、50」というような「どれを信用して良いかわからない」レベルのばらつきだったのですが、今では「2、2、5」という風に、比色表で隣合うレベルのばらつきになっています。
さて、次回のさらなる測定精度向上を目指して、私の方も解説用スケッチブックの改訂版を作りたいと思います(都レンジャー・福田)