高尾サポートレンジャー会

このブログでは高尾山で活動するボランティア「高尾サポートレンジャー会」の活動についてご紹介します。

2009/9/26 スキルアップ研修「自然観察研修会」

2009-09-26 20:00:00 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

実施日時:2009年 9月26日 9時30分~16時
実施場所:高尾山内
(コース)清滝駅前~1号路~ふじ路~高尾山頂~稲荷山コース~清滝駅前
講  師:前東京都自然保護観察員 吉武 直子氏
参 加 者:東京都レンジャー3名 高尾SR会16名  

研修内容:(目的)日本人は昔からスズムシ、カンタン、コオロギ、マツムシ、クツワムシなど虫の鳴き声を愛でることをしてきました。それは季節の移り変わりを虫の声によって感じると共に、去りゆく季節をいとおしむ気持ちの現れであったかと思います。
今回の研修では、サポートレンジャー活動「自然公園利用者に対する案内の一つ自然解説を「虫の生態を鳴き声によって知る」ことを目的とします。

1)清滝駅前で
はじめに本日の目的及び行程確認をし、講師紹介と講師挨拶および参加者紹介。
講師の吉武氏より、「前日の下見の結果、登路コースを1号路とし昼食後高尾管理センターレクチャールームにて映像を用いた虫についての講義。下山コースを稲荷山コースとしてそこで虫目を養う。」との説明があった。

2)1号路清滝駅前~金比羅台
アオマツムシ、マダラカマドウマ、チョッキリ、ヤマトヒバリ、スジブトハシリグモ、スイッチョ、ハナマルトラバチ、セスジツユムシ、ハナアブ、ヒメバチ、クサヒバリ、ツヅレサセコオロギ、モリオカメコオロギなどの鳴き声・生態について観察・解説。他にアサギマダラのマーキングを行い、左巻きマイマイ、ケマイマイ、クスサンのマユ、ヤママユガなどを観察。植物においてはホントクタデ、ハナタデ、ツリフネソウ、ツルギキョウ、メモナミなどの観察を行った。

3)金比羅台~山頂
センチコガネ、アオマツムシ、コノシタウマ、エゾゼミなどの鳴き声・生態についての観察・解説。これまでに観察した虫たちの復習をしながら山頂へと向かった。途中でアサギマダラのマーキングとその方法を行った。また、植物においてはオクモミジハグマ、アズマヤマアザミ、ヤマホトトギスなどの観察を行った。

4)山頂での講義
①鳴く虫の種類
②直翅目とは?
③昆虫綱における直翅目の位置
④鳴く虫の代表種
⑤鳴く虫の仕組み
⑥鳴く虫に親しむ
⑦観察会の問題点
⑧時代と共に鳴く虫の変化
⑨生息環境現象による消失
⑩新たな環境への移行
⑪身近に見られる虫
をテーマに1時間にわたって解説があった。

5)山頂~清滝駅・・・稲荷山コース
これまでに学んだ事柄の復習をしながら下山。

感  想: 秋の夜長に、涼しげに鳴く虫の声を聞きながら夏の思い出に浸る。その声は、消えゆく虫たちの生きた証を精一杯主張するかのように生気に満ちているようでもあり、はかなくも聞こえる。
今は、自然豊かな頃とは違ってこういった風情もあまりなくなってきたように思える。こういった中で今回の研修は改めて、自然の中での生き物たちの営みについて思い起こさせられる機会となった。特に、アサギマダラのマーキング作業をしていたときに数組の親子連れがとても興味深く見ていたのが印象に残った。
 研修会実施に当たってお骨折り頂いた皆様に御礼を申し上げます。
以 上(TSR/SAK)

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