漢字を楽しむ 阿辻哲次 講談社現代新書
漢字の話題はネタ切れになることがないのか、著者はどんどん本を出している。故白川 静氏は一般向けの本は50歳近くまで出さなかった。氏の場合は甲骨文字、金文の研究に従事されていたので専門性が強すぎて、新書タイプの本には馴染まなかったということだ。それに比べると本書は身近な話題で結構楽しませてもらえる。
第二章の漢字の「書き取り」を考えるが面白い。小学校では漢字の書き取りが厳密に行われていることがわかった。ハネるかハネないかが重大事らしい。これが本当なら、子供は息が詰まるだろう。漢字の歴史を考えたら、著者の言うようにそんなものはどうだっていいのである。ついでにいうと、書き順もどうだっていいと思っているが、どうだろうか。