読書日記

いろいろな本のレビュー

吉本興業の正体 増田晶文 草思社

2008-08-08 21:08:43 | Weblog

吉本興業の正体 増田晶文 草思社


吉本興業といえば吉本新喜劇を思い浮かべる。よくも悪くも大阪のイメージを作り上げた点で大いなる功績がある。創業は1912年というから歴史は古い。吉本吉次郎と林せいが結婚して始めたが、せいの弟の林正之助が発展させて、今の礎を築いた。最近、創業家の吉本家と林家の内紛が「週間新潮」によって伝えられていた。その中で漫才師中田カウスがフイクサーがらみの暗躍をしている記述があったが、カウスは後日「週間文春」で事実無根と反論していた。本書でもカウスに取材した部分が多く取り上げられている。彼によると、芸人とタレントは全然違うもので、最近の漫才師は芸人ではないと断言している。吉本興業顧問という肩書きだが、いつの間に会社に食い込んだのかと「週間新潮」は書いていたが、同感である。大所高所からの権威主義的な発言が目立つ。やすし・きよし解散後、カウス・ボタンが最高の漫才師と著者は言うが、これには異論がある。私はオール阪神・巨人が最高と考える。カウスは毒が強すぎて、好みでは無い。
 吉本はさんまが東京進出して以降、会社も東京を拠点にするようになって現在に至っている。漫才ブームでは相当儲けたようだ。木村政雄氏がそれに大いに貢献した。吉本を退社してからはテレビのコメンテーターとして活躍している。辛口のコメントでちょっといやな感じのおっさんだ。吉本の功績は大阪弁を全国区にしたことだと思うが、そのことが大阪人のあつかましさを助長させていることも否定できない。しかしメディアを利用しての戦略はなかなかのもので、大阪府知事の橋下氏も吉本の芸人と親しいことから、そのノウハウを伝授してもらっているのではないか。しかしメディアで有名になったものはメディアによって滅ぶこともある。両刃の剣だ。御注意召されよ。

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