知られざるスウェディッシュ80'sモダン・ジャズの傑作。おそらくスウェーデン本国でもほとんど無名であった(当時の)新人トランペッターUrban AgnasがLars Janssonのピアノ・トリオとセッションした作品で、彼名義では唯一のLPだと思います。美しい朝焼けを思わせるジャケットからしてとても素敵な一枚なのですが、曲の方もかなり洗練されていてまさにヨーロピアン・ジャズと言える作品揃い。どこまでも気品に満ちたA-2のBadaは彼のオリジナルで、ジャケをそのまま曲に投影したような美しき朝方のモーダル・ジャズ。一転して高速ハードバップなB-1のWhat Is This Thing Called LoveはCole Porterのカヴァー。特別なキラー・チューンというわけではないけれど、今ならばクラブでもよく映えそうな一曲で、Urban Agnasと言うよりもドラムスのAndres Kjellbergという人の迫真のプレイがカッコいい。若干ゆるめのB-2、Toyもなかなかに良質なスウィンギン・モダン・ジャズ。この曲はBill Evansのカヴァーですが、ここでもやはり洗練されたヨーロッパのジャズが聴けます。そしてジャズ・ロック的な彼のオリジナル、B-4のタイトル曲も極上ダンサー。全体的にモダンな気品に満ち溢れながらも、どこか突き抜けた佳曲揃いの一枚でこの手の北欧ジャズとしてはかなりクォリティが高いと思います。どこにでも売っているような盤ではないけれど、もしもどこかで出会うことがあればぜひ聴いてもらいたい一枚。
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