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ジャネット・ケイやサンドラ・クロス等と並ぶUKラヴァーズ・ロック・クイーンがこのキャロル・トンプソン。ラヴァーズ・ロック界の大御所であることはもちろんですが、彼女の場合、屋敷豪太のプロジェクトやジムノペディ引用で知られるムーヴメント98、それからコートニー・パイン作品などにも参加していたりもするので、UKソウルファンからも馴染みが深いことでしょう。本作はそんな彼女が1994年にCDオンリーでリリースした4thアルバムです。録音こそロンドンで行われているもののリリースは日本の東芝EMIからで、そもそも製作自体も日本人が主導。個人的にこの手の日本独自企画盤は、いかにも「ビッグインジャパン」という印象を受けるため敬遠しがちなのですが、たまたま安く売られていたので買ってみたら意外にも大当たりでした。基本的には前3作で見せたスウィートなラヴァーズ路線を踏襲しつつも、数々のコラボで得た経験を生かしUKソウルに歩み寄った珠玉の作品集。レゲェ特有のアーシーな雰囲気は微塵もなく、非常に都会的な質感になっているため、80年代のブラコン~AORファンでも普段聴いている音楽の延長として違和感なく受け入れられるかと思います。初見で収録曲をチェックするとM-1のタイトル曲やM-7のClose To Youあたりのいわゆる洋楽名曲カヴァーに目が行きがちですが、実は全体の2/3を占めるオリジナル曲のクォリティが何気に高く、特にM-2のTouching The SkyとM-4のNever Be Lonelyは彼女の代表作であるI'm Still Waitingに勝るとも劣らないアーバン・ラヴァーズの大名曲。個人的には曲のアレンジもさることながら、どことなくハワイのロイヤル・ガーナーに通じるこの美しい歌声が大好きでついつい何度も繰り返し聴きたくなります。レア盤でもなんでもないのでアマゾンでは普通に1円で売っていますが、クォリティは下手な高額盤より遥かに上。少しでも気になる人は悩む前にまず買いましょう。普段このブログを読んでいる僕と感性が近い方ならまず間違いなく一発でハマるはずです。
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