前回からキャロル・トンプソン繋がりでこんな作品を紹介。屋敷豪太のソロ・プロジェクト「Gota & The Heart Of Gold」による1993年のアルバムです。僕がこの日本人ドラマー/プロデューサーの名前を知ったのは10年ほど前の大学生の頃。ちょうど聴き始めたばかりのフリーソウルのコンピで、本作にも収録されているM-4のSomedayを聴いたことがきっかけでした。それまで日本人の本格クラブ系ミュージシャンと言えば、せいぜいキョート・ジャズ・マッシヴやモンド・グロッソ、それからマンデイ満ちるにU.F.O.くらいしか名前を聴いたことがなかったので、当時大学生だった僕は、このGotaなる謎の日本人ミュージシャンの存在に非常に驚かされたものです。後にいろいろと勉強していくうち別に謎でもなんでもなく、ミュート・ビュートやメロンのメンバーとして日本のクラブシーン黎明期から活躍しているばかりか、UKに渡りSoul II Soulやシンプリー・レッドにも参加するシーンの重要人物だと知っていくことになるのですがそれはまた別の話。この日本人離れしたグルーヴの持ち主は僕の心に強く残ることになるのでした。なんだか思い出話みたいになってしまいましたが、件のSomedayはついこうして昔語りをしたくなるようなノスタルジーに包まれた素晴らしい一曲。ヴォーカルは例のキャロル・トンプソンです。同系統で言うならばスノウボーイのGirl Overboardと双璧をなすグルーヴィー・UKミディアムソウルの大傑作。90年代当時のクラブの空気感に親しんだ人でこれ嫌いという人は、おそらくほとんどいないはずです。ちなみにこの曲があまりに良すぎるためその他の収録曲が霞んでしまいますが、アルバム全体を通しても良質なクラブ・ミュージック作品であるため誤解なきように。当時の日本のメジャー音楽シーンと言えばtrfがまだ出始めの頃だったというのに、その時から既に最先端のジャンルでワールドワイドに通用する日本人ミュージシャンがいたという事実に驚きです。今なら安く買えるので知らないという人は是非聴いてみてください。
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