
50年代中盤から主にビッグバンドにおけるサキソニストとして活動をしていたDon Menzaによる、独Sabaレーベル原盤の65年作。僕は基本的にビッグバンド作品は聴かないので、詳しいことは良く分からないのですが、どうやら本作は彼が本格的にリーダーとして活動を始めた頃の作品らしいです。全6曲中5曲が彼のペンによるオリジナルという意欲作。4管セプテットという若干多めの編成ながら、演奏自体はムダを省いたタイトなものに仕上がっているので、聴いていても大人数と言う印象はそれほど受けません。収録曲はどれもわりと良いですが、特に哀愁を帯びたボサ・ジャズのB-2、New Spanish Boots辺りはこの辺りの音が好きならきっとハマるはず。管楽器のアンサンブルもさることながら、Fritz Pauerが弾くピアノのメロディーがキレイで、聴くもの全てを虜にすることでしょう。そして、何と言っても白眉はタイトルからして最高なA-1のCinderella's Waltz。モーダル・バップを基調としたミディアム・テンポのワルツなのですが、とにかくテーマ・ソロ共にメロディー・ラインが非常に優雅で美しく、これぞヨーロピアン・ジャズの真骨頂(彼はアメリカ出身ですが)と言った趣きです。クラブで大音量で聴いたらさぞかし気持ちいいでしょうね。このグルーヴにいつまでも包まれていたいと思わされる名演です。ちなみに70年代くらいにBasfからプレスされて以降、アナログによるリイシューはないようですが、リリース当時には何回かプレスされているようなので、オリジナルに拘らなければ割と安値で見つけられるはず。近年MPSからCD化もされたようです。とにかくこの2曲のためだけにも是非聴いてもらいたい一枚。自信を持ってオススメします。
そうみたいですね。コレ、オリジナルもそんなに高くないって聞きました。でも近年のアナログ・リイシューがないって凄い意外な気がします。内容的には出てもおかしくないような…。
>Moderntiquesさん
たしかにそういうシチュエーションに上手くハマりそうな一曲ですよね。
ちなみにボクは前に同じような状況で結婚式のBGM頼まれた時、ダッドリー・ムーア・トリオのThe Young Prince & Young Princessを使いました(笑)
例のシンデレラ・ワルツですが、友人の婚約祝いCDに収録した次第です。