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At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Paris Pas Rio / Evinha

2013-10-12 | Brasil
現在は三人姉妹コーラスグループとして活動しているトリオ・エスペランサの主要メンバー、エヴァ・コレアがポール・モーリア楽団への参加を経て、結婚~渡仏を果たした後の1980年にリリースしたエヴィーニャ名義でのシングル盤。この人と言えば1974年にエヴァ名義でリリースされたアルバムに収録されたMoon Riverが、ゴールデン・ボーイズのHipnose辺りと並ぶブラジル産フリーソウルのクラシックとして知られており、レア・グルーヴ界隈でも古くからそれなりに有名な人ですが、今聴くのであれば断然この作品がお勧めです。フランス語で歌われるA-sideのParis Pas Rioもさることながら、なんと言ってもB-sideに収録されたÉ Difícil Dizerが絶品ブラジリアン・メロウグルーヴ。エレピがたゆたう都会的で暖かいオケと、エヴィーニャの柔らかな歌声&癒し系美メロの邂逅により奇跡の一曲に仕上がっています。1980年前後の限られた時期にのみしか存在しない独特の「柔らかくも都会的でライトメロウ」という質感を理想的に体現しつつ、それでいて技巧に走ることなく適度に歌謡的。正にブラジル版シティポップスと呼ぶに相応しい至福の一曲で、個人的には趣味ど真ん中です。同じような趣味志向を持つ方には分かると思いますが、これ以上古いと野暮ったく、これ以上新しいと逆にクリスタル過ぎるので実はこのギリギリの空気感を持つ曲は貴重なんですよね。いわゆる現代的な価値観でのAOR~ライトメロウな楽曲が好きな方ならば、まず間違いなくツボに入ることでしょう。おそらくアルバムには未収でシングルのみのナンバーですが、数年前にリリースされたTercaの青盤にコンパイルされているので、興味のある方はまずはそちらで聴いてみるのが良いかもしれません。ちなみにシングルはブラジルの大手レーベルRGEからのリリース。それほど極端にレアというわけでもないし、しっかりとピクチャースリーブ仕様になっているので、シングル盤とは言えノンジャケットのいわゆるドーナツ盤に比べれば比較的探しやすいはず。普段このブログを見ていただいているような方には絶対にお勧めの一枚なので、是非聴いてみてください。


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