
一部マニアの間ではそれなりの知名度を誇ると思われる自主系CCM。総勢12名の大所帯バンドによる1979年の作品です。情報が少ないため細かいことは分からないのですが、クレジットを見る限り外部プロデューサーであるSteve Shafer(スティーヴ・シャファー)が製作における中心人物だったと思われます。バンド内にリード・ボーカリストが5人もいるため曲によってメイン・ボーカルは異なり、収録曲中には正直駄作と思われるナンバーも少なくないのですが、なんと言っても冒頭A-1のAll My Love All My Lifeが奇跡。この時代らしいダンサンブルでアップテンポな16ビートに、軽やかなサックスと甘いボーカルが乗るミラクルなナンバーに仕上がっています。ダンクラとAORとフリーソウルがクロスオーバーした正に「良いとこ取り」のサウンドとなっているので、これらのキーワードにピンと来る方ならおそらく試聴一発でやられるはず。これほどイカしたナンバーが、何故こんな片田舎オハイオのローカルなCCMバンドから産み出されたのか非常に謎です。同じCCM関係だと以前ここでも紹介したWall Bros Band(ウォール・ブラザーズ・バンド)が1978年にWind On Summer Nightsという奇跡のミディアムアップ・ナンバーを発表していますが、このAll My Love All My Lifeもそれに勝るとも劣らない名曲。さらに、この手のクロスオーバー系ナンバーは選曲時、タイプの異なる曲間をつなげる接着剤の役割も果たしてくれるので、そうした意味でも高得点。ちなみに他の曲では続くA-2のI Love You With My Lifeが込み上げ系ミディアムAORでなかなか。ロブ・メールあたりが好きな人ならば多分気に入ると思います。自主系CCMということでそれほど見かける作品ではありませんが、気になる方は是非探してみてください。
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