カリフォルニアの白人4人組による1978年の一枚。Promiseというバンド名からも何となく察しがつく通りCCM作品です。牧歌的なジャケットからはちょっと想像が付きにくいですが、サウンド的にはわりと洗練されており、自主制作盤ながら同時代のメジャー系CCM作品と比べても遜色のない内容。目を見張るようなキラー曲は収録されていないものの、この程よいイナタさとメロウな質感は好きな人にとってはたまらないことでしょう。収録曲が全てオリジナル作品ばかりで占められているのも高得点。メンバー4人中の3人がそれぞれ自作曲を持ち寄っており、メインヴォーカルも曲ごとに持ち回り制となっています。AORファンから受けがよさそうなのは冒頭A-1のTake Time。キーボードを務めるRon Sawyers(ロン・ソーヤーズ)による作品です。いかにもキーボーディスト作らしい揺れるエレピと煌めくシンセ・ストリングスが印象的。歌メロ自体も往年のサバービア・ファン好みの高揚感に満ちたものとなっているので、その手のサウンドが好きな方ならまず間違いなくやられるはずだと思います。またベースのBill Lund(ビル・ランド)が手掛けたA-5のWait Upon The LordとB-1のHere And Goneは、どこかロード・ムービーを思わせる牧歌的なサウンドに柔らかくジェントルな歌声が乗るミディアム・ナンバー。昔フリーソウル・シーンで人気があったSpacearkの1stあたりに近い質感のPre-AORとなっています。CCMの自主盤という特性上、おそらく通常の流通には全く乗らず、現存するLPは彼ら自身が手売りで捌いたもののみと思われますが、その完成度の高さゆえ、このまま眠らせてしまうのは惜しい一枚。もしもどこかで見かけた際にはぜひ針を落としてみてください。
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