Cool Soundからの編集盤でも知られるハワイのコンテンポラリー系バンドによる1987年の1st。なんでもこの翌年、ハワイのグラミー賞と称されるNa Hoku Hanohano AwardにてMost Promising Artistsとして表彰されたようで、おそらく当時のハワイでは期待の新人扱いだったのでしょう。ただ本作リリース後しばらくしてバンドは空中分解。長いブランクを挟み1996年に2ndをリリースするも、メンバーは主要人物のTimmy Pajimola(ティミー・パジモラ)を除き全て入れ替わっており、オリジナルメンバーでの作品は残念ながら本作だけとなっています。以前Naluを紹介した際にも少し触れたように、サウンド的には完全なカラパナ・フォロワー。ただ、同時期のカラパナの音と言うよりはむしろ90年代以降のそれに近いので、別にただの劣化コピーバンドというわけではありません。70年代後半~80年代初頭にカラパナやマッキーフェアリーが作り上げたコンテンポラリー・ハワイアンを、彼らなりに見事に昇華しているのでそのあたりは誤解なきように。曲名通り休日気分満載で始まるきらびやかなM-1のIsland Holidayからして既に良い雰囲気ですが、面白いのはM-3のLonely Faces。やや哀愁を帯びたマイナー調のボッサAORで、どこか歌謡曲じみた日本人好みなメロディーラインがツボです。またライトメロウという観点からすると、M-7のLazy Daysが一押し。各種鍵盤楽器を巧みに使い分けながら、一人で様々な音色を鳴らすDave Tucciaroneのキーボードワークが見事ですね。チープながらも程よくクリスタルなこの雰囲気は、おそらく今のリスナーでも素直に受け入れられるはず。個人的にカラパナらしさを最も感じるのはM-10のHeart In The Isles。ハワイの雄大な自然を感じさせる歌い上げ系のAORで、こちらもなかなか良い雰囲気です。リリースされた時期が時期でLPがほとんど流通していないため、レコード派の人からは無視されがちな作品ですが、内容的には間違いない一枚なのでもし興味があれば聴いてみてください。ちなみにただ聴くだけならば冒頭に書いたCool Soundからの編集盤でも大半はカバー可能。個人的にはジャケットが気に入らずどうにも食指が伸びませんでしたが、こだわりのない方は編集盤でも良いかもしれません。
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