
イタリアという国におけるモダン・ジャズ黄金期の一翼を担ったドラマー、Gil CuppiniことGilberto Cuppiniによる数少ないリーダー作品を紹介。以前モノクロ・ジャケットの59年作(S/T)を掲載したことがありますが、本作はそれより2年ほど後の録音となるアルバムです。Meazziというマイナー・レーベルが原盤でありながら、参加メンバーが非常に豪華かつ好内容なため、玄人筋から支持されることも多い一枚ですね。名義上は一応クインテット作となっているものの、彼の場合レギュラー・コンボを持っていないのでメンバーは流動的。しかしながら、バッソやヴァルダンブリーニらを始めサイドメンを身内で固めた前作とは違い、本作にはバルネ・ウィランにゴイコヴィッチにジョルジュ・グランツと、さながら当時の欧州ジャズ・オールスターズとでも呼べそうな凄まじい面々が参加していて、非常に興味深い演奏を展開しています。アレンジの方もバリバリのハードバップだった前作から随分と洗練された印象で、大人な夜の雰囲気が楽しめる素晴らしいもの。グランツのペンによるM-1のVinnie's Componentsが流れた瞬間、まるで60年代の真夜中のジャズクラブにタイム・スリップしたかのような感覚を味わえることでしょう。ちなみにこの曲、何年か後にグランツ自身が音楽監督を務めたスイス映画でもテーマ曲として使用されていたような…。続くM-2のHatch-Tag-Bluesはゴイコヴィッチ作。例のベント・イェーディグによる激レアDebut盤でも別タイトルにて再演していますが、華やかな雰囲気の漂う本作でのアレンジもなかなかに良い感じ。またピアノ・トリオによる小品であるM-3のBlue Danielや、ウィランのソプラノによるワン・ホーンが非常に美しいM-7のJohn's Balladなども最高です。ちなみにオリジナルは相当レアですが、セカンド・プレスがあるほか近年になってからもRight TempoからCD/アナログ共にリイシュー済み。僕が現在持っているのはこのCDのみですが、そのうちセカンド・プレスくらいは購入する予定。大人なジャズを楽しみたい人にオススメの一枚です。
ボクはこのレコード、まだ聴いたことがないので
とりあえず再発をゲットして聴いてみようかと思ってます。
George Gruntzと言えば、以前くりさんが紹介してた
サントラがかなり気になりますね。
ジャズメンが手掛けたサントラってなぜかやたらと惹かれます。
こんばんわ。
この盤はクラブ筋から出た一連のイタリアン・ジャズ復刻モノの中でも、アゾリーニのTribute To Someoneと並んで一押しの一枚です。
アルバム全体の完成度が非常に高い。
↑であんなこと書いてましたが、結局さっそく2ndプレスを買ってしまいました(笑)
ちなみにここで紹介してる1曲目の曲は例のグランツのサントラに入ってた曲の別ヴァージョンでしたよ。テーマ曲ではなかったですけど…。