
ライトメロウなJ-AORをもう一枚。「おどるポンポコリン」や「夢のENDはいつも目覚まし!」で有名なビーイングの企画系バンド「B.B.クイーンズ」のヴォーカリスト、坪倉唯子によるソロ名義の2ndアルバムです。リリースされた時期は「おどる~」の1ヶ月前となる1990年3月。知らない人が聴くと驚くこと間違いないと思いますが、これが実はearly 90's J-AORの隠れ名盤だったりします。どうしてもB.B.クイーンズの印象が強い彼女ですが、もともとはデビュー前に桑名晴子のベーカーズショップに参加してたこともある本格派。そんなこともありソロ作品では、本来の中低音ヴォーカルを活かしてしっかりとAORシンガーをやっています。ドラムの音色が強調された90年代特有のデジタルレコーディングですが、演奏自体はしっかり生音。おまけに演奏陣が青山純(ds)や伊藤広規(b)、そして土岐英史(Sax)など山下達郎のツアーメンバーとしてもお馴染みの凄腕スタジオミュージシャンで構成されているため、サウンド自体の完成度が非常に高く、玄人が聴いても充分に納得できる一枚と言えるでしょう。特に件のLight Mellow和モノ669でもピックアップされていたM-5のTaxiーDriverは、(リリース自体はこちらの方が先ですが)シャーデーのKiss Of Lifeにも通じる絶品アーバン・ミディアムに仕上がっているため、この類の音楽が好きな人ならば確実に一撃でノックアウトされるはず。この時期の作品ながらしっかりとグルーヴを感じられるところがポイントで、個人的には古内東子のPeach Melbaと並ぶ90年代J-AORの名曲と言って良いかと思います。CDオンリーの作品ですが特段珍しいというわけでもなく、普通に安価で中古屋に転がっているため、まだ聴いたことのないという方は騙されたと思って是非チェックしてみてください。特に90年代サウンドにアレルギーがある方にこそお勧めのナンバーです。
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