末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

4・5 厚生労働省への申し入れ

2023-04-06 09:43:47 | #マイナ保険証は廃止
地域医療交流会は闘う仲間と共に、マイナ保険証を廃止し、これまで通り紙の保険証で診療が受けられるように強く申し入れました。





申 し 入 れ 書

厚生労働省  様                                                
  2023年4月5日
地域医療交流会
連絡先 八尾北医療センター労働組合
大阪府八尾市桂町6-18-1
電話 072-999-3555
                                                                                                                                                        1)はじめに
 3月7日マイナンバーカードと健康保険証の一体化など 改正案閣議決定がなされました。改正案の骨子は、
①健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化する。
②一方で、カードをなくした人などに「資格確認書」を提供し、現在の健康保険証も廃止後、最長1年間は有効にする経過措置を設ける。
③また国からの給付金などを受け取る際に利用し、マイナンバーと ひも付く「公金受取口座」については、公的年金の振込先になっている金融機関の口座を登録する仕組みを設けるとしていて、住民に通知した際に本人が同意しないという意思を示さなければ、公金受取口座に登録される。
④このほか、社会保障と税、災害対策の3分野に限定されているマイナンバーの利用範囲が、国家資格の手続きや自動車に関わる登録、外国人の行政手続きなどの分野にも範囲が広がる。
⑤そのうえで、こうした分野について、これまでは法律でマイナンバーを使える行政機関やその内容などが規定され、新たに追加する場合は、そのつど法律の改正が必要でしたが、すでに法律に規定されている事務に「準ずる事務」であれば、法律を改正しなくてもマイナンバーの利用が可能になります。国会の審議を経ずにマイナンバーの利用拡大が可能になるということです。この強権的な姿に彼らの絶望的なあせりを感じます。
⑥市区町村の窓口のみで行われているカードの受け取りを郵便局でもできる。また申請者が寝たきりの高齢者などの場合は、施設の職員などが申請を支援したり、代理で受け取りの手続きを行えたりする。自治体の職員が病院や希望する個人宅へ訪問し、出張申請を受け付ける仕組みを設ける。

 これと期を一にして、3月9日マイナンバー訴訟、最高裁はプライバシー権認めずと判決しました。マイナンバー制度は憲法が保障するプライバシー権を侵害し違憲だとして各地の住民が国に個人番号の利用差し止めなどを求めた3件の訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は9日、原告側の上告を棄却しました。
裁判官5人全員一致の結論で、住民側敗訴の1、2審判決が確定したのは、平成28年に始まったマイナンバー制度を巡る最高裁判断は初めてです。
 3件の訴訟は仙台、名古屋、福岡の各地裁に起こされ、マイナンバーは利用範囲が極めて広範な上、乱用を防止する措置も不十分で、情報漏洩(ろうえい)の危険もあるなどと主張していました。
 判決では、制度は行政運営の効率化や国民の利便性向上が目的で、社会保障や税、災害対策などに分野も限定されており「正当な行政目的を有する」と指摘。利用などには厳格な規制がある上、漏洩防止のため悪質なものは刑罰の対象となっており、独立した第三者機関に監視などを行わせていることにも言及。漏洩や目的外利用の危険性は極めて低く、「個人情報をみだりに第三者に開示されない権利やプライバシーの侵害には当たらない」と結論付けています。 
 そもそも昨年10月13日に、法改正もなく法案審議も経ずに3大臣の合意のみで保険証廃止を決定するという前代未聞の河野発言にたいして「個人情報が漏れて悪用される」「国民皆保険制度の解体だ」「戦争に使われる」と、労働組合、医師会、弁護士会、地域住民の違憲訴訟を含む大反対運動が起きてSNSや新聞、テレビで多くの怒りが噴出していました。
 これに先行して、医療機関では今年の3月末までにマイナカードが使えるようにカード読み取り器を設置する「オンライン資格確認の導入」が義務化されました。すでに導入した医療機関の3分の1でトラブルが発生。現場では「コロナ対応でそれどころでない」「システム準備は大規模工事」「お金もかかるし義務化されると閉院する」という保険医協会をはじめとした「義務化」撤回の闘いがひろがっています。パソコンやカード読み取り機が間に合わず、昨年10月に発注しても届くのが今年の3月。政府は9月までの経過措置を認めざるを得ませんでしたが、これも実施ありきの措置に過ぎません。
 今年の2月22日には、東京保険医協会の医師、歯科医師274名が違憲訴訟を開始し、数千名の第二次訴訟を呼びかけ、「義務化」撤回の闘いが更にひろがっています。
 ほぼ同時に報道された閣議決定と最高裁の棄却は、戦後の労働運動、住民運動が勝ち取ってきた「国民皆保険制度」を守る闘いと、それを解体して再び戦争のできる国にするためのマイナンバー=「国民総背番号制」に反対する闘いに追い詰められた国家の最後のあがきです。河野デジタル大臣は記者会見で「反対意見に対して丁寧に説明して納得していただく」と言った舌の根も乾かぬうちに提出した法案は、どんな手を使ってでも反対運動を屈服させ、全ての個人情報を番号で紐づけして、国家が一元管理しようという意図がありありと見て取れます。こんなことは絶対にゆるせません。
 ここまでして政府が強引に進める「マイナ保険証」義務化の真の狙いは、もともと小泉政権が打ち出した社会保障番号で税と社会保障を一体化させ社会保障費を削減する「骨太精神2001」でした。
 社会保障を個人レベルで削減して労働者を分断する「社会保障個人会計」です。
負担(税金と保険料)と給付(医療や年金)を天秤にかけ個人レベルで分かるようにする仕組み。「負担しなければ給付なし」の保険原理。給付が不安な国民は自己責任で民間保険に入るよう促す。これではお金のある人しか医療が受けられなくなる。
「医者にかかるのは死ぬとき」の時代に戻すということです。 
そのためには全国民の情報を手に入れて管理しなければできない。マイナカードの普及率を限りなく100%に近づけ、「命と健康を」人質にとって、利便性を強調し、あらゆる個人情報をマイナンバーと紐づけして、巨大なデーターバンクを作る。企業や国の都合に合わせてこれを組み替えて、金儲けと国民監視、そして有事(災害や戦争)に徴税、徴用、徴兵していくことを狙っています。こんな暴挙は闘って必ず止めましょう。

2)まず個人情報が守られるとは到底考えられません
情報が集積されればされるほど、個人情報の漏洩が増大すると、だれもが抱く不安を多くのマスコミが取り上げたため、わざわざ河野デジタル大臣はHPの内容をあらため、維新の会の橋下氏と会見して「紙媒体よりもデジタルのほうが安全だ」と言い切りましたが、これはまったくの嘘です。
 総務省自身、いかに漏洩・盗難が多いかその危険性をHPに取り上げています。(「総務省」令和3年版 情報通信白書|セキュリティ被害 (soumu.go.jp))
 さらに「2020年上半期だけでも、世界では360億件のデータ盗難被害が起きている。そして個人情報は1か所に大量に集められるほど、サイバー犯罪に弱くなるのだ。」(堤未果:「デジタル・ファシズム」P27)
 また「日本でも2012年~2020年まで全上場企業の1割以上。漏洩・紛失した個人情報はほぼ日本の人口に匹敵する累計1億1404万人分。その5割を「ウイルス感染・不正アクセス」が占めている。」(東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210115_01.html#: ~:text)
機械的に膨大な情報を抜き取るサイバー犯罪は、紙媒体が中心の「紛失・廃棄」に比べ、事故1件あたりの情報漏洩・紛失件数がケタ違いに大きくなることは、私たちがよく使う、2~3000円で買える
256GBのUSBメモリにA4サイズの文章が約1000万枚(計算の仕方では1億万枚 加筆)保存できることからも容易に想像できます。
最高裁や河野太郎や橋下徹にだまされるな。徹底弾劾あるのみだ。

3)通信システムの障害による業務の中断が懸念されます
 まずこれまでにオンラインを導入した医療機関の1/3で障害が起きています。さらに2022年だけでも、携帯、銀行、航空会社、鉄道会社、コンビニ、病院、などなど毎月2~3件の通信障害が起きて、復旧作業が長引いていろいろな利用が長時間ストップしています。
 あらゆるものと通信でつながることが便利であればあるほど、
一旦通信障害が起きると生活の機能がすべてとまってしまします。とくに医療の現場でおきる障害は命にかかわるのです。
彼らは一度だって想定したことがないのだ。

4)マイナカードを持たない人に対する「資格確認書」発行が医療を奪うこともありえます
 被保険者がマイナンバーカードを使い資格確認できない状況にある場合、保険者に対して、当該被保険者等の資格に係る情報として「厚生労働省令で定める事項を記載した書面」を交付するよう求めることができる(各自が行うということだ)。求めを受けて保険者は速やかに当該書面を交付するとしている。
 デジタル庁検討会の「中間取りまとめ」で示した、従来の健康保険証の機能を〝代替”する形で「資格確認書」を交付する趣旨です。
 資格確認書を申請方式にすれば、保険料を支払っている者でも、申請漏れ等により「無資格」「無保険」となる者が続出することは必至です。公的医療保険制度の健全・安定運営に責任を持つ国・保険者の責任放棄であり、無保険者を政策的に創り出すものであることは明かです。
 一部負担割合で受診できる「短期保険証」も廃止されます。市町村と滞納世帯の間で分納相談する機会が失われ、国保加入世帯の生活を無視して、機械的に保険証を取り上げる事態が増え、現場労働者と住民を分断し信頼関係を奪うもので許せません。

5)情報は個人のものであると同時に地域住民の共有財産 
  決して国に渡せません

 特に戦後の地域医療で蓄えられてきた医療情報は、お金のあるなしに関係なく安心して、「誰でも」「いつでも」「どこでも」医療が受けられる「国民皆保険制度」のためにあります。
 助け合ってともに住みともに働きともに生きる、信頼関係がなければ公開できないものです。
 お互いが医療と社会の主人公になって人を診る、地域を診る、社会を診る(変える)ことにつながるのです。
 病気の原因をつきとめ、早期発見、早期治療に役立て、金儲けには使うべきではありません。
病気の原因は資本主義(国家)にあります。絶対に「原子力村」「森友」「加計」「桜」「コロナ給付金」「オリパラ」「統一教会」でずっとうそとだましを通してきた国家に命はあずけられません。とくに戦争のできる国にするために情報を使うことをきっぱりと拒否し、ここから奪われたすべてを奪い返して、世界の闘う労働者、住民と共に新しい社会を築くための基礎としましょう。 
 
 以上の理由をもって、マイナ保険証を廃止し、これまで通り紙の保険証で診療が受けられるように強く要望します。



⇦八尾北医療センターのHP

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