■西郡国賠裁判で住宅追い出しに怒りの陳述、結審策動打ち破る
前進 速報版 2016年2月25日 18:30
「追い出した理由を聞くため、(14年1月に一審で仮執行付判決を出した)古財英明裁判官をここに呼んで下さい!」
2月19日、大阪地裁第16民事部で、法廷を圧倒する凜とした声が響いた。先日90歳になった島とよ子さんの怒りの決起だ。これに先だつ佃照夫さんの意見陳述と一体で、8家族の怒りの激しさを森木田邦裕裁判長に見せつけた。結審策動を打ち破り、次回裁判での証人採否をめぐる白熱的攻防を切り開いた。
佃さんは国と八尾市を徹底弾劾した。「私は62年間西郡で生活を営んでいます。1981年から2014年まで34年間、改良住宅に住み続けてきたのです。このような経緯で生活している私たち家族に対して、19日間で住宅を立ち退けとは断じて許されません」
佃さんは全身から怒りを爆発させながら、「国や行政の、金もうけのためには弱者である労働者や私たち住民を犠牲にしてもいいと言うあり方を断じて許せず、私たちは国賠裁判に訴えたのです。私たちはどこまでも闘っていきます」と宣言した。
裁判闘争の前々日、大阪府警は関西合同労組の組合活動に対して「暴力行為等処罰ニ関スル法律」違反をデッチあげ、2人の組合員を逮捕し、7カ所の不当捜索を行った。関合労大阪東部支部と全国水平同盟西郡支部が一緒に使っている事務所にも不当捜索が入った。断じて許せない。
国賠闘争は、この不当弾圧粉砕の闘いと一つになって闘われた。京都の東三条の仲間、高槻植木団地の労働者とともに、不当逮捕を1日で打ち破って釈放をかちとった関合労の山口幸一書記長が参加した。西郡支部は裁判後、関合労と一緒に大阪府警と不当な令状を出した裁判所を弾劾するビラまき闘争に決起した。
大阪・八尾市西郡では朝鮮侵略戦争切迫下で、8家族を先頭とした20年間の追い出し絶対反対の住宅闘争に追い詰められた国と八尾市が、新たな更地化攻撃に出てきている。
まず、住民全員をたたき出す攻撃だ。闘いをつぶすための元家賃供託者に対する架空請求での取り立て、建て替えを口実とした追い出し、解放同盟と近畿大学を使った「まちづくり」という共同体の破壊だ。
さらにこれと一体で、八尾北医療センターをつぶし、八尾北医療センター労組の団結を破壊する攻撃がかけられている。16年前に八尾北労組と住民の反対で建設が止まっていた医療センター東側の未完の道路を完成させようとしているのだ。ムラを分断し医療センターから医療圏を奪い、西郡のムラ全体をつぶして更地化する大攻撃だ。すでに西郡では八尾北労組を軸に労働者住民の総決起で道路建設絶対阻止、住宅追い出し絶対反対の決戦に突入している。
8家族に対する、前代未聞の仮執行宣言付き住宅追い出し判決、高裁判決前の強制執行は、この先取り的な攻撃だった。今や更地化に対する怒りがムラ中に巻き起こっている。その先頭に8家族が立ち、国と市を追い込んでいる。(全国水平同盟西郡支部・植村清)