■中国念頭、南西諸島の防衛力強化へ 新大綱を閣議決定
朝日新聞 2010年12月17日12時25分
菅内閣は17日の閣議で、2011年度以降の10年間の防衛力のあり方を示す防衛計画の大綱(防衛大綱)を決定した。中国の軍事的台頭について「地域・国際社会の懸念事項」と指摘。中国の海洋進出を念頭に南西諸島の防衛力強化を打ち出した。冷戦時代に部隊を全国に均等配備する根拠としていた「基盤的防衛力構想」に代え、機動力や即応性を重視する「動的防衛力」を基本方針とした。
民主党政権初の防衛大綱で、大綱改定は2004年以来6年ぶり。内閣は11年度から5年間の防衛装備の数量を示す中期防衛力整備計画(中期防)もあわせて閣議決定し、5年間の予算総額を23兆4900億円程度とした。10年度予算と比較した平均伸び率はプラス0.1%で、平均伸び率がマイナスだった前回中期防(05~09年度)の抑制傾向を転換した。
大綱は中国について、軍の近代化や周辺海域での活動活発化を挙げて「このような動向は透明性の不足とあいまって、地域・国際社会の懸念事項」と指摘。その上で「自衛隊配備の空白地域」である南西諸島防衛を強化する方針を明記した。那覇基地の戦闘機部隊を増強、潜水艦も16隻から22隻態勢に増やすことを盛り込んだ。これに関連し、中期防では、沖縄県・与那国島を念頭に陸上自衛隊の沿岸監視部隊を新設する。
この他、北朝鮮については大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発の動きから「我が国を含む地域の安全保障における喫緊かつ重大な不安定要因」と記した。
日米関係では「アジア太平洋地域の安定化を図るため、同盟を深化させる」と強調した。同時に、米国の同盟国である豪州や韓国との「二国間及び米国を含めた多国間での協力を強化」するとした。
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