■韓国でも労働法改悪阻止 民主労総 ムン政権との激突に突入
前進 速報版 2017年12月 4日 12:33
●長時間労働を合法化する攻撃に怒り
20171204a-1.jpg 11月28日、韓国・民主労総が労働法制改悪阻止の緊急行動に立った。
この日午後、勤労基準法の改悪阻止と労組活動をする権利の立法化などを掲げ、ソウルの国会前で緊急決意大会が開催された。続いて同じ会場で、この日全面ストライキに突入して上京した建設労組が、建設勤労者法の改正などを求めて2万人の決意大会を行った。
焦点となっているのは、国会環境労働委員会の法案審査小委員会が提出した、労働時間の延長や休日・時間外労働手当の削減などからなる勤労基準法(日本の労働基準法に当たる)の改悪案だ。そこではさらに、同法59条の、現在労働時間制限の対象外となっている「特例業種」についての規定はそのまま維持するとされている。ムンジェイン政権のもとで与野党が一体となってかけてきた大攻撃に対し、全社会に怒りが渦巻いている。
許しがたいのは、パククネ政権のもとで政府が法を勝手に解釈して週68時間までの労働を認めたことに対し、これを違法としてその廃棄を公約していたムンジェインが、今やその約束をほごにして、逆にこの長時間労働を合法化する暴挙に出てきたことだ。民主労総が掲げる「労働積弊清算」に真っ向から敵対する攻撃だ。
さらに、「特例業種」規定のために、毎月平均3・6人もの労働者が過労で命を奪われている。無制限の労働を強制するこの制度を存続させることは、労働者に対して、この先も資本に命を差し出し続けろということだ。
●〝2千万労働者の生存守る〟と訴え
28日の集会で民主労総のチェジョンジン委員長代行は、「これは法の改正ではなく改悪だ。労働時間の短縮ではなく延長だ。とくに中小零細・未組織の職場で働く労働者をより低賃金での長時間労働に暴力的に追いやるものだ」と弾劾し、「勤労基準法を守ることは組織された労働者だけでなく、この地の2千万労働者の生存を守る闘いだ。必ず阻止しよう」と訴えた。
さらに公共運輸労組のパクテチョル副委員長は「勤労基準法59条の特例規定のせいでバスの運転手や集配労働者、放送労働者が次々過労死している」「59条が廃止されない限り、労働を尊重する社会ではない」と強く訴えた。
この闘いは、民主労総と韓国労総の共闘として発展し、28日の朝には両者が共同で糾弾記者会見を開いた。23日に続いて28日の小委員会での改悪もはね返したが、改悪強行を狙う政府・資本との闘いはこれからが正念場だ。
●建設労組2万人が生きさせろとスト
28日にゼネストで決起した建設労組は、建設労働者の劣悪な労働の現実を変えるために、賃金未払い防止制度などを導入する建設労働者法改正案の国会通過を強く要求した。
建設現場は現在、「毎日2人が死んでいく戦場だ」とさえ言われている。そこで働く労働者のほとんどは個人請負の特殊雇用労働者だ。自分の所有する建設機械を現場に持ち込んで運転し、事故が起きても何の保障もなく、その実態は日雇い労働と変わらない。毎日骨身を削って働いても日々の生活を支えられる賃金など得られず、老後の保障もない。
だが国会は勤労基準法改悪を狙う一方、建設労働者法の改正にはまったく動こうとしない。建設労組のチャンオッキ委員長は、全国から集まった2万人の組合員を前に、「私たちはすでに10年間、国会と政府にだまされてきた」と怒りをたたきつけ、「もう彼らを信じず、私たちの人生は私たちの手で変え、私たちの力で法も変えよう」と訴えた。
韓国の仲間たちが直面しているのは、日本のわれわれとまったく同じ攻撃だ。労働者からとことん搾取し、社会を崩壊させる以外に延命できない資本主義を今こそ終わらせよう。切迫する朝鮮戦争・核戦争を阻止する力もその中にある。巨万の労働者の怒りを束ね、総力闘争に立ち上がっている民主労総に学び、連帯して闘おう。
〔写真〕11月28日、民主労総大会に続く建設労組のゼネスト大会で「もうだまされない」と政府・資本との全面対決を宣言する2万人の労働者(ソウル)