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【ドル弱含みの現在、日本はドルを蹴落とすようなことができずに…】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」③

2024-03-03 17:07:23 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、日本政府・日銀(および本邦メディア各社や経済学者ら)が、円安の最悪さを必死になって覆い隠そうとして円高、つまりドル安を阻止しようとする理由は、それだけドル安―――ドル価値のいっそうの下落すなわちインフレの激化―――に向けた圧力が高まっているため・・・って、いまのアメリカ、といえるでしょう。

 このあたりは、最近のこちらの記事でご紹介したように、ここのところ、かの国の実質金利がプラス圏に届くあたりまで上昇してきたことから、FRBが現行の金融引き締めスタンスを継続する根拠が弱まり、むしろ景気刺激等のために近々、利下げへ動くのでは、との大方の市場関係者らの観測から説明ができそうなところです。一般的に、金利が下がれば景気が良くなって物価は上昇に向かう―――インフレ傾向になる―――わけですからね。でも、それだけだと、インフレになっても、「激化」というほどの強烈さではなさそうな・・・

 ・・・って思えますが(?)、やはりアメリカの、これから起こるインフレはキョ~レツになっていくほかないでしょう。で、その最大の原動力(?)は・・・何といっても「不動産」であること、そして、その不動産価格に照らせば、アメリカは引き続き超~マイナス金利下、つまり超~バブル、すなわち激しいインフレ下にあることは、こちらの記事で書いたとおりです。なので、その点からはFRBにはこれまでの利上げ路線を堅持し、同市場の冷却化をめざすべき・・・なのに、実際には不可能なわけです。というのも、かの国は「不動産本位制」ようするに自分らの「地べた」の価値が永遠に上がっていくとの前提で、そのファイナンスのためのマネーを増刷し続ける以外になくなっているからです、とっくに・・・

 この点、やはり注目は、直近の同価格でしょう。そのあたり本ブログでしばしば引用している全米住宅価格指数(ケース・シラー値)ですが、2023年10月に過去最高値をつけた・・・のですが、11月そして12月と2か月連続で対前月比マイナス(11月マイナス0.26%、12月マイナス0.37%)となるという、「非常」事態となっています。「非常」ってそんなちょっぴりの下落で?・・・って、そう十分にアブナイ状況です、上記に照らせば―――不動産のキャッシュ捻出力がちょっぴりでも落ちてきてしまったら―――財政をはじめとする、かの国の債務の穴を埋めるべきキャッシュもまた不足してしまう―――金利が急上昇しかねない―――ためです・・・

 で、その(米連邦)財政ですが、こちらもヤバいことになっているのはご存じのとおりです。アメリカの2023会計年度(22年10月~23年9月)の財政収支は1兆6950億ドルの赤字と、前年度から23%も拡大し、コロナ禍以降で最大になりました。ここで上記に関連して注視するべきは債務の支払いコスト。これも23%増で過去最高の8790億ドル、GDP比の額は3.28%で2001年以来の高水準になっています・・・(以上ロイター報道記事)

 上記からすれば、アメリカ・・・とFRBの選択肢は一択であることが自明です。すなわち、利下げ・・・して不動産価格の再上昇を促すとともに連邦政府の債務支払いコストを低減してやること、以外にありません。FRBは、その気だからこそ、こちらの記事で書いたように、すでに昨年のうちから今年の利下げをほのめかして―――不動産価格が下がるようなことはしないよと暗に表明して―――いるのでしょう(?)。となると当然、(ローン金利低下や家賃等の上昇等を通じて)インフレがあらためて喚起されてしまい、せっかく上がっていた実質金利がまたもマイナス圏に沈んでしまいそうですが、もうそんなコト―――インフレ抑制―――に配慮するゆとりなんてないはず・・・

 こうしてアメリカではインフレ再加熱の条件が整いました。その本質的な意味は・・・ドル価値の低下加速になります。であれば前述のとおり、日本がここで円高(ドル安)への転換・・・って、ただでさえ弱含んできたドルをいっそう蹴落とすようなことができなくなっているのも、まあもっともだな、という気がします・・・

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