水曜日の午前11時に、施設入所中の90歳男性が救急搬入された。午前9時ごろに意識レベルが低下して、血圧が低下した(70~80mmHg)。ふだんは自力歩行できる方だった。
救急当番の外科医(大学病院から)が対応した。搬入時、会話は可能だった。血圧97/76mmHg(その後も100前後)で、酸素飽和度が89%(室内気)と低下している。
胸部X線・CTで心拡大と肺水腫~うっ血と胸水を認めた。急性心不全(慢性心不全の急性増悪)の所見だった。心電図は心房細動(やや頻脈)で完全右脚ブロックがあり、ST上昇は指摘し難い。(BNP 559.0pg/ml)
心エコー検査ではEF 60%と良く、AR・MRが中等度に認められた。その日の内科入院係の腎臓内科の若い先生に連絡がいって、心不全で入院となった。90歳という超高齢で、循環器内科への搬送にはしなかった。
利尿薬の投与で治療が開始された。病棟の入院して、利尿がつくかと思われたが、午後4時過ぎに心肺停止となってしまった。急だったので心肺蘇生が行われたが、反応はなく、そのまま死亡確認となった。
循環器内科に搬送していたら、違った結果になったのだろうか。