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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

1型糖尿病

2023年03月10日 | Weblog

 水曜日に医療センターから、髄膜腫術後の67歳女性がリハビリ病棟に転院してきた。脳神経内科が担当になるが、1型糖尿病があり、血糖コントロールを依頼された。

 

 この患者さんは隣町在住だが、車に乗っていた時に嘔気・嘔吐と一過性意識消失があり、当院の救急外来を受診した。担当は外科医(大学病院からバイト)だった。

 受診も嘔吐があり、名前は言えるが、見当識障害があった。頭部CTで腫瘍があり、頭部MRIで見ると案外周囲との境界は明瞭だった。対側の大脳を圧排している。

 地域の基幹病院の脳外科に連絡したが、脳腫瘍ということで、医療センターの脳外科に救急搬送となった。

 1型糖尿病で通院していて、インスリン強化療法を受けていた。血糖コントロールを行ってから、12月6日に腫瘍栄養動脈塞栓術、12月7日に頭蓋内腫瘍摘出術が行われた。診断は右蝶形骨縁髄膜腫。

 手術翌日の頭部CTで脳出血を認めて、意識障害が遷延したとある。その後、意識障害は回復したが、左半身麻痺がある。

 

 血糖コントロールは内分泌代謝の専門医が行っていて、超速効型インスリン(7-6-7-0)単位、持効型インスリン(0-0-0-12)単位皮下注となっていた。とりあえずは同じ治療で経過をみて、血糖測定の結果で微調整する。

 病室に患者さんを診に行った。その場での会話はできるが、通院していた医療機関を訊くと、住所(町の名前)は出てきたが、医院の名前は出てこなかった。インスリン自己注射は継続できるのだろうか。

 

 小児期や若い時の発症ではないそうだが、正確な発症年齢はわからない(30歳代?と訊いても?だった)。発症は急激でかなりの体重減少があったそうだ。入院した病院は覚えていて名前が出てきた(県内有数の市立病院)。

 1型のうちでは急性発症1型だと思われる。脳神経内科医が、患者さんが10年前?と言ったので、そんな年齢(50歳代)で発症するのか、と言っていた。 

 1型糖尿病は急性発症、劇症、緩徐進行型がある。急性発症1型糖尿病は当然小児期~若年期が多いが、中高年はどのくらいの%なのだろうか。これまで扱った中では、40歳代で発症した急性発症1型糖尿病が最高齢だった。

 

 

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