なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

Cぺプチドが低値

2023年03月07日 | Weblog

 2月27日に地域の基幹病院脳神経内科から当院回復期リハビリ病棟に、81歳女性が転院してきた。1月27日に発症(左片麻痺・半側空間無視)して救急搬入されていた。

 MRI・MRAで右中大脳動脈が途絶して同領域の脳梗塞を認めていた。(頭部CTでも低濃度を呈し始めていた)経鼻胃管からの経管栄養を開始していたが、その後嚥下訓練を行って、経口摂取が可能になっている。

 糖尿病・高血圧症・高脂血症で内科医院(糖尿病専門医)に通院していた。GLP1受容体作動薬(週1回製剤)・SU薬(グリメピリド1.5mg/日)・メトホルミン1000mg/日で、HbA1cが7.8%だった。

 

 先方では糖尿病科に血糖コントロールが依頼されて、インスリン強化療法を行っていた。ヒューマリンR3回と持効型(グラルギン)を使用していたが、まだ血糖は高かった。(ヒューマリンRを使用しているくらいで、まだ治療調整途中)

 担当の脳神経内科医から血糖コントロールを依頼されて、インスリンを調整することになった。(3月で当院の脳神経内科は閉科)経口血糖降下薬は処方されていなかったので、DPP4阻害薬とメトホルミンを追加して、先方のやり方で数日みてから変更することにした。

 2月初めにCペプチドと抗GAD抗体が検査されていた。Cペプチド(空腹時)は0.81ng/mlと低下していて、抗GAD抗体は陰性だった。Cペプチドが低いのは2型糖尿病で経過が長い患者さんとしての値かもしれないと思った。

 当院転院時の検査では、HbA1cが8.4%とむしろ上昇していた。Cペプチド(空腹時)も外注検査に提出したが、0.22ng/mlとさらに低下していた。<0.6ng/mlなので、完全にインスリン依存性になってしまう。Cペプチドは比較的安定した値を呈するはずだが、1か月の間隔でそんなに変わるのだろうか。

 ヒューマリンR皮下注は看護師さんの手間がかかるので、普通の超速効型(ヒューマログ)にして、持効型はトレシーバに変更した。(グラルギンBSだと効果が1日持たないのと、若干のピークをつくる。ランタスXRはトレシーバと同等だが、院内にはない。)

 経口血糖降下薬と持効型インスリン増量で調整して、超速効型は中止してBOT(経口血糖降下薬+持効型インスリン1回)にする予定だったが、難しいかもしれない。

 

 この患者さんは心電図は洞調律で心房細動はない。先方では脳梗塞の機序はアテローム血栓性の可能性が高いが、深部静脈血栓症があり、血栓増大を避けることを期待して抗凝固薬(DOAC)投与にしたそうだ。

 

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