なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎・胸膜炎、肺炎随伴性胸水

2023年03月01日 | Weblog

 2月初めに自宅で動けなくなった78歳男性が救急搬入されていた。内科の若い先生が担当している。

 昨年も同様の病状で入院していた。隣町の山間部で一人暮らしをしていて、認知症がある。町役場での時々訪問していた。今回も動けなくなっているのを発見されての入院だった。

 

 前回は数日点滴をしただけで食事摂取できるようになり、自力歩行で来ていた(当方が担当)。今回は1週間過ぎても食べれられない・動けないが続き、どうなるかと思っていたが、なんとか食事摂取できるようになったところだった。

 急性期病棟でコロナのクラスターが発生して、同室者がCOVID-19と診断された。症状は微熱程度だったが、PCR検査で陽性と出た。感染病棟に全員を転棟できないので、そのまま急性期病棟で治療した(レムデシビル点滴静注)。

 発熱は治まり(微熱から平熱へ)、週明けの月曜日に隔離解除の予定だった。ところがその日に急に高熱が出た。コロナとしての悪化は考えにくい。何らかの細菌感染症(肺炎か尿路感染症)と思われた。

 

 炎症反応の上昇(白血球4100・CRP16.5)があり、尿所見は異常がなかった。胸部X線(ポータブル)で陰影がはっきりしないと判断された。血液培養2セットと尿培養が提出されて、抗菌薬(ゾシンPIPC/TAZ)が開始された。翌火曜日には解熱している。 

 入院時の胸部X線・CTでは肺に異常は認めなかった。心臓がむしろ小さいのは脱水症を反映しているかもしれない。

 高熱が出た日の胸部X線では、左下肺野に陰影がありそうだった。翌日熱源検索で胸腹部CTが行われて、左下葉背側の浸潤影を予想した。

 実際は両側に胸水貯留を認めた。肺野に浸潤影は指摘し難い。心不全の症状ないので、感染症に所見と判断される。下葉背側の肺炎が数日あって、肺炎・胸膜炎となったとみるか、肺炎と随伴性胸水とみた方がいいのか。(胸水穿刺する量ではないが、膿胸ではないだろう)

 

 

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